【現地コラム】高木美帆の銀メダル、その瞬間― オレンジ色の客席で揺れた日の丸
平昌五輪のスピードスケート女子1500メートル、高木美帆の銀メダルの瞬間を目撃した。
オランダの牙城を崩し、獲得した意地の銀メダル…日本人ファンが総立ち
平昌五輪のスピードスケート女子1500メートル、高木美帆の銀メダルの瞬間を目撃した。
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会場の入りは7、8割程度。やはり韓国勢が有力視されていないとあって、地元の関心はさほどのようだ。リンクの氷はテレビで見るよりも真っ白。ぱっと見、氷には見えない。まるでホワイトボードのような質感。関係者によると「このリンクは国内のリンクよりも白く、反射が強い」。そのため、反射の光を抑えるサングラスは濃い色のものが好まれているという。そんな豆知識を聞きながら、競技のスタートを待った。
一角には日本の応援団が日の丸を掲げ陣取った。2組目で小平奈緒が暫定首位に立った際には、大きな盛り上がり。ただその後も、好記録で首位の座が入れ替わるたびに多数の観客が拍手を送っていた。特定の選手というより、純粋にアスリートを応援するファンが多いようだ。
日本の応援席以外にも、日本人ファンの姿が点在。日本語での会話があちこちから聞こえ、異国の地での戦いとは思えない様相も。オランダ勢が有力とあってか、オレンジ色の応援団が最も目立った。
印象的だったのは、競技のインターバル中、リンク中央のアリーナ部分に姿を見せた高木がストレッチのような動きで体をほぐしていた。リンクの感触を確かめるために滑る選手は多かったが、スケート靴をはかずにこういう動きをしていたのは、見る限り高木だけだった。
最終組にいよいよ、高木が登場。ちょうどスタート地点は日本の応援団の前だった。一度、スタートのタイミングが合わず、ため息がもれる。そして、2度目のスタート。ヘザー・ベルフスマ(米国)に先行される展開に、「タカギ~」の声援が飛ぶ。立ち上がって声をからすファンも。