脇役から主役へ変貌? パワーフォワードの役割を解説
パワーフォワード(Power Forward,PF)とは、ミドルレンジやゴール下での得点を主な役割とする選手です。相手と競り合いながらリバウンドを確実に奪うことも求められます。フィジカルの強さが求められ、4番ポジション、センターフォワードと呼ばれることもあります。
パワーフォワードとは 役割を解説
パワーフォワード(Power Forward)とは、ミドルレンジやゴール下での得点を主な役割とする選手です。相手と競り合いながらリバウンドを確実に奪うことも求められます。
フィジカルの強さを生かしたポストプレーやスクリーナーとしての役割も重要なため、スモールフォワードよりも体格のいい選手が務めることが多いと言えます。英語を略した表記はPFであり、4番ポジション、センターフォワードと呼ばれることもあります。
以前は、黒子に徹してリバウンドやスクリーンで体を張り攻守に汚れ仕事をこなす、いわば縁の下の力持ち的な役割が多かったものの、80年代以降にNBAで活躍した多くのパワーフォワードによって、一気に主役級のポジションへと変貌を遂げました。
現代ではインサイドでの強さだけでなく、アウトサイドからの得点力も求められるポジションに変化してきており、「ストレッチフォー」と呼ばれる選手の活躍が目立っています。こちらについては後程解説します。
NBAの代表的なパワーフォワード
NBAを代表するパワーフォワードとして、主に1980年代から90年代にNBAでプレーしPFのイメージを変えた3選手を紹介します。最初に紹介するのは、1990年代にジャズで活躍したカール・マローンです。
1985年に全体13位でジャズからドラフト指名を受けたマローンは、ジョン・ストックトンとともにリーグ屈指のデュオを形成し、分かっていても止められない代名詞のピック・アンド・ロールでリーグを席巻しました。屈強な体格を生かした左サイドのポストアップから得点を量産。確実にボールをゴールへ“配達”することから“メールマン(郵便配達員)”の愛称で知られました。史上最高のパワーフォワードの1人です。
ピック・アンド・ロールについては以下の記事で紹介しています。
続いて紹介するのは、76ersやサンズなどで活躍したチャールズ・バークレーです。
198センチとパワーフォワードとしては身長が低いものの、115キロ程の体重がある屈強な体格の持ち主で、持ち前のパワーと抜群の運動神経でインサイドを支配しました。体格の良さとウィングスパンの広さを生かしたリバウンドも得意とし、加えてパスの能力も高いオールラウンドな選手でした。正直な物言いでも知られ、また日本企業のテレビコマーシャルに起用されたことでも人気を集めました。
最後に紹介するのは、ピストンズやブルズで活躍したデニス・ロッドマンです。
ロッドマンの代名詞と言えばリバウンドです。203センチとリバウンダーとしては決して高くない身長ながら、ボールの落下地点を読む能力に優れ、1992年から1998年まで7年連続でリバウンド王に輝きました。当時勝つためには手段を選ばない「バッドボーイズ」と恐れられたピストンズの一員として2度の優勝を経験。その後移籍したブルズでは、マイケル・ジョーダンとスコッティー・ピッペンとともにスリーピート(3連覇)を達成しました。並外れたディフェンス能力の持ち主であり、派手な髪色やタトゥーなどその独特な風貌でも注目を集めました。
特殊例ストレッチフォー、フォワードセンターとは
ここまで紹介してきたパワーフォワードの他に、PFでありながら他のポジションでもプレーできる能力を持った特殊な選手たちが存在します。ストレッチフォーとフォワードセンターがこれに該当します。ここではそれぞれについて解説します。
ストレッチフォーとは
ストレッチフォーとは、パワーフォワードでありながらアウトサイドからのシュートも得意とする選手です。「ストレッチ」とは相手守備を広げることを意味し、「フォー」はパワーフォワードを数字で示すときの番号4を意味します。ストレッチフォーがいることで、相手守備陣を外に広げ、インサイドにスペースを空けられる効果があります。
NBAにおけるストレッチフォーの代表的な選手には、2000年代から10年代にマーベリックスで活躍し、片足で放つフェイダウェイが印象的だったダーク・ノビツキー、ヒートでレブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイドとともに「スリーキングス」を形成したクリス・ボッシュ、キャバリアーズなどで活躍し、センターもこなせる体格ながらシュートタッチの優れたケビン・ラブらがいます。
フォワードセンターとは
フォワードセンターとは、パワーフォワードとセンターの役割を両方こなせる選手です。ビッグマンと呼ばれることもあります。主にゴール下での得点やリバウンドを得意とするだけでなく、ミドルレンジや時にはアウトサイドからのシュートでも得点を狙え、守備でも比較的機動力のある選手が多いと言えます。
NBAにおけるフォワードセンターの代表的な選手には、2000年代と10年代にセルティックスなどで活躍し、高身長でありながらボールハンドリングも優れていたケビン・ガーネット、ガーネットと同時期にスパーズで活躍し、チームを5度の優勝に導いたティム・ダンカン、コービー・ブライアントとともにレイカーズで活躍したパウ・ガソル、アウトサイドからのシュートも得意とし、2012年のドラフトでは全体1位指名を受けたアンソニー・デイビスらがいます。
センターについて、以下の記事で紹介しています。
全てのポジションの役割について簡単にチェックするなら、以下の記事がおすすめです。
(THE ANSWER編集部)