「行きたくないですよ」 高卒Jリーガーと卒業後の高校選抜、元日本代表FWの経験談
「同世代との遠征は、凄く良いリフレッシュになりました」――城彰二(元日本代表FW)
プロ1年目に開幕4試合連続ゴールの城彰二、直面した高校選抜への参加問題
「同世代との遠征は、凄く良いリフレッシュになりました」――城彰二(元日本代表FW)
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全国高校サッカー選手権大会で活躍した一部の選手たちには、卒業してからも高校生としての“仕事”が残されている。日本高校選抜に選ばれると、翌年度のシーズンが始まってから欧州遠征に出かけていくことになる。
だがJリーグが開幕して2年目の1994年、想定外のことが起こった。鹿児島実業高校からジェフユナイテッド市原(当時)に加入したFW城彰二が、いきなり開幕のガンバ大阪戦でスタメン出場を果たすと、4試合連続ゴールの大活躍で話題をさらってしまう。しかもこのシーズンの城は極端に多忙を極め、やがて五輪代表からフル代表にまで招集されることになった。
18歳ながら、すでに城はチームの得点源になっていた。ところが連続得点記録を更新し続ける最中に、高校選抜の遠征のタイミングがやってきた。当時、城はメディアに「(欧州遠征は)行きたくないですよ。行ったらポジションがなくなっちゃうかもしれないですからね」と語っている。実際に城が市原入りを選択したのは、他に条件面で上回るクラブがあったが、出場するチャンスがあると考えたからだった。
しかし開幕からの大活躍で注目を集めてきた城は、心身ともにすり減っていた。
「だからあのタイミングで同世代の選手たちと遠征に出られて、凄く良いリフレッシュなりました」
後に当時の本音を明かしている。