目は毎日腫れ、体はガリガリ バレーボール迫田さおり、SOSを出せなかった“あの時”
自分からSOSを発信できず、体はガリガリに…「私がいていい場所じゃない」
「その数日後、『頑張ろうよ』と私のために先輩が手作りのケーキを作ってきたんです。その後も、『今日は声が出てないよ』『今日は出ていたね』と、ことあるごとにチームメートは気に掛けてくれました。体育館に一歩入ればめちゃめちゃ怖い先輩が、そうやって励ましてくれたのがうれしかった。
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当初は監督や先輩たちにポンコツのように言われ、自分がチームにいる意味がないと腐ることもあったけど、愛情をもって指導してもらっていることに気づけた。本当に素晴らしいチームメートに恵まれたと思います」
しかし、「一人でいるほうが楽で、人と距離をおきたがるタイプ」という迫田は、その後も自分からSOSを発信することはなかなかできなかったという。
「東レでも全日本でも新しい環境に身を置くたびに『私には無理だ』『私がいていい場所じゃない』という気持ちになっていました。思えば、当時、リーグが始まると体がガリガリになっていた。メンタル面の影響が体に出ていたんですね」
そんな迫田にチームメートやスタッフは「一人になるな」としつこく繰り返したという。“いっぱいいっぱい”だった彼女に、助け船は、常に用意されていた。