松井大輔、ベトナムリーグ挑戦で感じた最大の戸惑い「顔面にエルボーを食らっても…」
ベトナム料理はヘルシーで痩せる? ベトナムでの体づくり
僕がベトナムに来た当初、昼と夜にベトナム料理を食べていました。香辛料を含めた味付けは日本人の口に合っていて、栄養価の高いサラダがあって魚料理や豚肉料理、それからスープの種類も豊富です。だから全く苦にならない食生活だったけど、しっかりと食べていたつもりでも体重が徐々に減って、2~3キロ痩せてしまいました。量は十分に食べていたので、そこで気づきました。ベトナム料理はヘルシーなのかもしれない、と。
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その後、パスタやピザ、あとは日本食も織り交ぜた食生活に変えると、すぐに体重を元に戻すことができました。ひと昔前は日本人も体が小さかったけど、欧米の食文化を取り入れたことで体格差が少しずつ縮まっていったという歴史があります。もしかしたらベトナムもそういった食文化を学ぶことが必要だろうし、牛肉の価格が高いことで手を出しにくい状況になっていることも影響しているのかもしれません。
そんなことを想像しながらも、まずは僕自身がもっとコンディションを上げてリーグ再開を迎えたいと思っています。12月にベトナムへやってきて2週間の隔離生活を余儀なくされ、そこから試合を戦える体を作るのが本当に大変でした。これまでJリーグでは、1月の始動からシーズン開幕を迎えるまで少なくとも約6週間は準備期間があったのに、今回は隔離生活を強いられた上に練習再開から開幕まで2週間ぐらいしか時間がなかったので、開幕戦は何もできなかったのが本音です。第3節からはようやく体が元通りになってきたとはいえ、隔離が想像以上に大変ということを思い知らされました。
35歳を過ぎた選手は、3日間何もしなければ一般人の体に戻ってしまいます。筋力は使わなければどんどん落ちていくもので、若い時は何もしなくてもすぐに元通りになったけど、今の年齢になってからは維持するために体をしっかり動かさないといけない。一番シンプルなのは試合に出て試合の筋肉を取り戻すことで、そうすれば自然と持久力もついてくるし、試合勘も養われていく。
2月28日に組まれていたリーグ戦がコロナの影響で延期になり、公式戦が再開するのは今のところ3月中旬以降の予定です。ちょっとイレギュラーな出来事ではあるけど、個人的には自分のコンディションを上げるために有効活用したい。“一人合宿”みたいな感じでしっかりと走り込み、リーグ戦再開を今度こそトップコンディションで迎えたいという気持ちです。
ベトナムでプレーしている僕はあくまでも“助っ人”という立ち位置です。チームと仲間にしっかりと認めてもらえるようなパフォーマンスを見せなければいけないし、過去の海外移籍で経験したことを生かしたい。もうすぐ練習開始の時間なので、そのあたりの経験談など詳しい話は次回以降にしたいと思います。
では、また来月お会いしましょう。松井大輔でした。
■松井大輔
1981年5月11日、京都府生まれ。サッカーの名門、鹿児島実業高校を卒業後に京都パープルサンガ(現・京都サンガ)でプロキャリアをスタートさせる。2004年にフランス、ル・マンへの海外移籍を皮切りに、ロシア、ブルガリア、ポーランドでプレーし、Jリーグではジュビロ磐田、横浜FCでプレーした。日本代表としても活躍し、ベスト16に輝いた2010年南アフリカワールドカップにも出場
(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)