練習相手不在の危機 ギリシャの“人情”で凌いだ日本代表選手が安堵「いい人ばかり」
男子テニスの国別対抗戦「ATPカップ2021」がオーストラリアで開幕を迎える。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、厳戒態勢で行われる団体戦に日本代表として参戦する42歳で“テニス界現役最年長ランカー”の松井俊英が大会中に「THE ANSWER」で現地発のコラムを展開する。
ATPカップ出場、“現役最年長ランカー”松井俊英の現地発コラム第9回
男子テニスの国別対抗戦「ATPカップ2021」がオーストラリアで開幕を迎える。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、厳戒態勢で行われる団体戦に日本代表として参戦する42歳で“テニス界現役最年長ランカー”の松井俊英が大会中に「THE ANSWER」で現地発のコラムを展開する。
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第9回は、日本代表メンバーのマクラクラン勉の合流が開幕前日までずれ込んだために、練習パートナーが不在となってしまった危機的状況において、ギリシャ代表の練習に合流するという異例の対応をとったことを語ってくれた。
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オーストラリア入国後の2週間の隔離期間が終わりました。30日午前に指定の宿舎をチェックアウトして、今は別のホテルに移動しています。スーパーなど外出も自由。自分のルーティン通りの調整や食事もできる。自由の素晴らしさを改めて噛み締めています。
隔離期間中は毎日5時間、決められた時間と場所でトレーニングをしていました。感染拡大防止のために練習相手はオーストラリアのサム・ワイズボーン選手だけでした。隔離終了後はトレーニング時間も場所も相手も自由です。
ところが、日本代表、そして僕の練習パートナーに関して、想定外の状況を迎えます。ニュージーランドのオークランドで調整を進めていたマクラクラン勉選手が、現地で新型コロナウイルスの感染者が出たという理由で、6日間も足止めに。ニュージーランドとオーストラリアは新型コロナの封じ込めに成功していることもあり、入国時には本来隔離期間はないはずでした。
ATPカップのスタッフは、ニュージーランド組に対しては入国後の隔離の可能性も一時話していたので、最悪間に合わないという想定もありました。ですが、開幕日の2日にメルボルン入りすることが決まったので、ほっとしています。
30日からマクラクラン選手と練習するつもりだったのですが、結局間に合わず。西岡選手と軽くヒッティングをした後は、地元メルボルンの派遣のヒッティングパートナーとトレーニングを済ませましたが、31日の調整に関しては異例の対応で凌ぎました。ギリシャ代表に単身合流しました。
ギリシャ代表のステファノス・チチパス選手とは2、3年前にチャレンジャーツアーで一緒になることがありました。父親のアポストロスさんがギリシャ代表で今回監督を務めているのですが、彼は親日家なのかすごくフレンドリーで、久々に再会して今回の状況を説明したら、ギリシャチームの練習に参加することになりました。