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日本卓球は福原愛がいたからメジャーになり強くなった 平野早矢香が感じた“スターの存在感”

平野さんが考える中国の強さとは【写真:松橋晶子】
平野さんが考える中国の強さとは【写真:松橋晶子】

中国はなぜ強いのか…選手層だけじゃない土俵の違い

 日本は確かに強くなりましたが、強大なライバルがいます。中国は2008年の北京五輪以降、男女シングルス、男女団体とすべての種目で金メダルを獲得しています。なぜあれだけ強いのか――。私の時代の強化体制ですが、日本では学校、クラブ単位が基本なのに対して、中国の場合は国から省のチームとピラミッドが完成しています。例えば、省のチームの中に1、2軍があって、1軍のトップの選手がナショナルチームの2軍に入ったりします。

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 私も参加したことがあるのですが、ナショナルチームの2軍の選手とそれぞれの省の1軍の選手や期待の若手など計50人での合同合宿があり、そこで25人ずつに分けての総当たり戦が行われます。その中で勝ち上がった選手がナショナルチームの2軍に残留。いわば入れ替え戦のようなものが定期的にあって、選手たちはいつ入れ替えられるかわからないという危機感もあるし、またいくらでも代わりがいるという感覚があるようです。

 驚いたエピソードがあります。2010年にモスクワでの世界選手権団体戦で、中国の女子はシンガポールに敗れ、9連覇を逃しました。当時の選手は帰国してからテレビの生放送特番に出演して「なぜ敗れたのか?」と視聴者の前で糾弾されたそうです。日本の感覚では絶対ありえませんよね。衝撃的でした。でも中国においてはそれくらい卓球への期待と関心が高いということなんです。世界選手権で優勝するような選手が寝坊して反省文を書かされて、外を走らされたという話も聞きますし、凄くシビアで厳しい部分があるのだと思います。

 そもそも土台となる卓球人口も多いし、対人競技なので大事になる練習相手も豊富。そういうところでも差があるのに、さらに精神的にも鍛えられる環境だから強くなりますよ。ただ今は日本でも才能がある選手がたくさん出てきて切磋琢磨して、日本でトップに行けば今や世界でメダル候補という時代で選手の意識も高い。私たちの頃とは違います。以前よりも中国との差が縮まっているのは間違いありません。

(インタビュー後編は22日)

(THE ANSWER編集部・角野 敬介 / Keisuke Sumino)

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