アイスホッケーとラグビーが異色コラボ BUトレーニング施設で学生たちが得た刺激
スポーツを通じた人間形成を目指す「ブリングアップ・アスレティック・ソサエティ(BUAS)」。ラグビー、アイスホッケー、ランニングパフォーマンス、ベースボールという4競技のアカデミーを展開するが、BUASの礎ともなったラグビーとアイスホッケーが、競技の枠を超えたコラボレーションを果たした。
東洋大学アイスホッケー部の5選手が、BUラグビーアカデミーの菊谷&臼井コーチと交流
スポーツを通じた人間形成を目指す「ブリングアップ・アスレティック・ソサエティ(BUAS)」。ラグビー、アイスホッケー、ランニングパフォーマンス、ベースボールという4競技のアカデミーを展開するが、BUASの礎ともなったラグビーとアイスホッケーが、競技の枠を超えたコラボレーションを果たした。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
舞台となったのは、10月にオープンした「Bring Up Training Center」だ。アイスホッケーアカデミーがオフアイストレーニングの拠点とする、埼玉県戸田市にある「CCM Experience Center Tokyo」内に誕生したトレーニング施設には、ウエートトレーニングをはじめ各種トレーニングに必要な器具が揃っており、アマチュアはもちろんプロアスリートまで幅広い層が利用可能だ。
11月某日、「Bring Up Training Center」でコラボを果たしたのは、ラグビーアカデミーでストレングス&コンディショニング(S&C)を担当する臼井智洋コーチと、東洋大アイスホッケー部の清水怜、小堀雄太郎、石田陸、宮田大輔、武部太輝の5選手だ。防具をつけることなく生身の体で激しいコンタクトを繰り返すラグビーと、“氷上の格闘技”の異名を執るアイスホッケー。陸上と氷上とでプレーする場所こそ異なれど、プレーの本質に目を向けると共通点は多い。競技の枠を超え、新たな気付きを得るために、今回のコラボが実現した。
臼井コーチは、早大ラグビー部のS&Cコーチを務めたほか、スーパーラグビーに参加していたサンウルブズでアシスタントS&Cコーチを務めるなど経験豊富な人物。一方、東洋大アイスホッケー部の5選手は、すでにプロ入りが決まっている清水を筆頭に、全員がU-18、U-20日本代表経験を持つ世代のトップだ。すでに筋骨隆々とした屈強な体を持つ5選手に対して、臼井コーチは自重を使ったトレーニングを中心に、実際にラグビー選手が行うトレーニングを指導。それぞれのメニューで意識するポイントや正しい姿勢などを的確に伝えた。
笑顔で指導する臼井コーチとは反対に、5選手は普段やり慣れないトレーニングに苦戦。とりわけ苦悶の表情を浮かべたのは、懸垂のように高いバーにぶら下がった状態から両足を揃えて、逆上がりの要領で両足先をバーより高く上げるメニューだ。背筋と腹筋が同時に鍛えられるトレーニングで、サンウルブズでは体重が100キロを超す選手もやり遂げたという。時には悲鳴にも似た声をあげながら、約1時間に及ぶセッションを終えた選手たちは立ち上がるのも辛そうな様子だったが、他競技から得た新たな発見に充実感も覚えたようだ。