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歴史は1986年から始まった― 日本サッカー界とアル・ヒラルの因縁

「サウジアラビア(アル・ヒラル)は優勝を義務づけられている。だから一番弱そうな日本戦で最初に弾みをつけようと考えていたんでしょうね」――(前田秀樹=古河電工、元日本代表)

日本のチームが初めてアジアを制した31年前、古河電工がアル・ヒラルと対戦

「サウジアラビア(アル・ヒラル)は優勝を義務づけられている。だから一番弱そうな日本戦で最初に弾みをつけようと考えていたんでしょうね」――(前田秀樹=古河電工、元日本代表)

 サウジアラビアを代表するビッグクラブ「アル・ヒラル」は、過去にも少なからず日本のチームと因縁の試合を繰り返している。

 実は、日本のチームが初めてアジアを制したのは1986年だった。まだ日本は、単独チームの国際交流に目を向けておらず、大会に参加するのも2度目。しかも、AFC(アジアサッカー連盟)が急遽決勝リーグの年末開催を通告してきたので、前年のリーグ王者・古河電工(ジェフユナイテッド千葉の前身)がアジアのNO1決定戦に臨むためには、天皇杯を棄権しなければならなかった。

 大会開催地はサウジアラビアの首都リヤド。古河は現地に着いた当日の夜から、中1日で3試合(総当たりリーグ戦)を戦った。そして初戦の相手が、2017年のACL決勝で浦和レッズと顔を合わせたアル・ヒラルだった。まだ日本は、アジア大会などでも中東勢に対して分が悪く格下と見られていたため、ホームチームは大勝して弾みをつけようと目論んだに違いなかった。

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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