井上尚弥、米国も待ち望む再上陸 勝負の2018年に「モンスター」に課せられた使命
バンタム級にもネリやマクドネルら実力者は多数…転向後のビッグマッチ実現も可能か
バーネット以外にも、バンタム級には山中慎介(帝拳)戦での薬物問題を巡る騒動で知名度が上がったWBC王者ルイス・ネリ(メキシコ)、亀田和毅(協栄)に2勝した実績を持つWBA正規王者ジェイミー・マクドネル(英国)といった日本で知名度のある選手がいる。
また、WBO王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)も、18日のシボニソ・ゴニャ(南アフリカ)との初防衛戦で世界戦史上最短の11秒でKO勝ちを飾って話題になった。こういった顔ぶれを見る限り、たとえバンタム級に上げたとしても、井上は名前のある対戦相手を見つけることはできそうではある。
今後、HBOのバックアップを受けた日本人王者はどこまで駆け上がれるか。適切なタイミングで、強敵とのファイトを組めるか。米国でもスターになり得るポテンシャルを持った稀有な軽量級ファイターにとって、2017年以上に、来るべき2018年が極めて重要な1年になることは間違いない。
◇杉浦大介
1975年、東京都生まれ。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、ボクシング、MLB、NBAなどを題材に執筆活動を行う。主な著書に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)、「イチローがいた幸せ」(悟空出版)。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)
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杉浦大介●文 text by Daisuke Sugiura