田中希実の底知れない戦闘意欲 21歳初の日本一で見せた「負けてもいい」という戦い方
視線は早くも来年へ「プレッシャーを越えて成長していきたい」
「ある程度のタイムを持っていると勝って当たり前だと感じてしまったり、逆に勝たないといけないと考えてしまってどんどん自分でしんどくしてしまう選手が多いと思う。そうなりたくないと思う中で、練習から全力で準備していくことで、やるだけやったので負けてもいいと思えるという向き合い方をずっとしている。
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今回もやるだけのことをやってきたので、結果的に負けても仕方ないし、勝った選手を称えることができるという気持ちでスタートラインに立つことができた。そういう姿勢を持つことでライバルたちと高め合いながらできるのかなと思います」
他の選手としのぎを削り、ベストの相手を倒すことで達成感を得られる。調子の悪い相手に勝っても、100%は満足できない。そんなバチバチに火花を散らすことを望むファイタースタイルのハートを感じさせた。
21歳にしては少し達観したような見方。来年6月は連覇を懸けた戦いとなる。「来年から連覇を狙うことになる。ずっと勝ちを狙うことはどんどんしんどくなっていくものだと思うので、そこのプレッシャーをどんどん越えながら選手として成長していきたい。もっと貪欲にやらないと」。153センチの身体に秘めた戦闘意欲は底が知れない。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)