[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

【One Rugbyの絆】スピードと興奮を求めて進化 15人制から派生した13人制のラグビーリーグの魅力

日本代表サムライズは2021年開催予定の国際大会に照準、まだまだ狙える代表入り

「最初は7人制をやりたかったのでフィジーを選んだんですけど、フィジーではみんな、いろんなラグビーを楽しくやっていて面白いな、と。それで僕もリーグにも挑戦してみました。日本に帰ってきた後もプレーしたいなと思ったら、日本にもリーグをプレーしている人たちがいて、参加することにしました」

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 いろいろなラグビーを体験した中でも、狩野さんがラグビーリーグに惹かれた理由は何だったのだろうか。

「攻撃回数が決まっているので、その中で試合を組み立てていくのが面白いですね。15人制はなるべくリスクを冒さないで、確実に確実にボールをキープして前に運び、トライを狙う。最近だとトライが難しくなってきたので、キックでコツコツ点を入れていきますよね。それに対して、リーグは6回タックルをされれば自動的に相手にボールがいってしまうので、リスクはあるけどその分決まればカッコよく盛り上がるプレーがある。そこがやっぱり面白いなって思いますね」

 タックルが成立したらラックではなく、タックルを受けた選手がボールを足元に置き、足で後方へ転がすプレイ・ザ・ボールから再開される。スクラムはあるが形式上の意味合いが大きく、押し合うことはない。必然的に試合の流れが停滞することはなく、観客が盛り上がりやすいルールになっている。狩野さんも「試合をやりこめばやりこむほど、『なるほど、だからこういうルールなんだ』ってスピーディーさと面白さを求めてルール改正した背景を感じます」と話す。

 世界を見渡すと、ラグビーリーグは南半球を中心に30か国以上でプレーされ、国際大会ともなれば1試合につき10万人を超える観客が集まる人気を誇る。オーストラリアでは15人制よりも13人制の方が盛んで、積極的な人材交流も。一方、15人制では名前を聞かないパプアニューギニアでは、13人制は国技に近い盛り上がりを見せ、世界ランク上位に入る強豪だ。1954年に第1回ワールドカップ(W杯)が開催され、2017年の15回大会はオーストラリアが11度目の優勝を飾り、次回は2021年の開催が予定されている。

 日本でラグビーリーグが紹介されたのは1993年で、比較的新しいスポーツという位置づけになっている。また、15人制の人気が圧倒的なため、なかなか13人制の面白さが浸透しない現実もある。

「日本ではユニオンとは比べものにならないほどです。リーグの競技人口はほとんどいなくて、国内では100人くらい。日本ラグビーリーグ協会には4チームが登録されていますが、残念ながら国内リーグはほとんど機能していません。まずは国内リーグの整備を進めて、国際ラグビーリーグ協会の世界ランキングに入れるように取り組んでいく予定です」

 日本ラグビーリーグ協会として世界ランキング入りと同時に目指しているのが、2021年(もしくは2022年)に開催予定の「エマージングネーションズ・ワールドチャンピオンシップ」に出場し、過去最高成績を残すことだ。この大会はW杯に出場できない国が参加する国際大会で、日本代表サムライズは2018年にも出場。1勝3敗と納得のいく成績は残せず、「個人としても、世界とのフィジカルの差を感じ、改めてトレーニングに励んでいます」と、次回にかける想いは強い。

 日本代表サムライズは公募制で現在も募集中(詳しくは日本ラグビーリーグ協会公式サイトへ)。狩野さんは「2021年に予定される本番まで、まだまだ時間があります。毎月開催されている練習会などに参加していただき、ラグビーリーグの基礎などを覚えれば、日本代表になれる可能性は十分あります。興味のある方には是非チャレンジしてもらいたいですね」と呼びかける。

1 2 3
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集