【One Rugbyの絆】スピードと興奮を求めて進化 15人制から派生した13人制のラグビーリーグの魅力
日本ラグビー界に新たなうねりを起こすべく立ち上がった「NPO法人One Rugby」。元日本代表主将の廣瀬俊朗氏が代表理事を務める団体では、15人制や7人制(セブンズ)、車いすラグビーといった一般になじみのあるものから、10人制ラグビー、デフラグビー、ブラインドラグビー、タッチラグビー、タグフットボール、ビーチラグビーまで、「ラグビー」に分類されるあらゆる競技が協力し、競技の持つ魅力を広く社会に伝えていくことを目的とする。
「One Rugbyの絆」連載第8回、ラグビーリーグ日本代表・狩野堅太さん
日本ラグビー界に新たなうねりを起こすべく立ち上がった「NPO法人One Rugby」。元日本代表主将の廣瀬俊朗氏が代表理事を務める団体では、15人制や7人制(セブンズ)、車いすラグビーといった一般になじみのあるものから、10人制ラグビー、デフラグビー、ブラインドラグビー、タッチラグビー、タグフットボール、ビーチラグビーまで、「ラグビー」に分類されるあらゆる競技が協力し、競技の持つ魅力を広く社会に伝えていくことを目的とする。
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「One for all, all for one」の精神で1つのボールを全員でゴールまで運び、試合終了の笛が鳴れば、敵味方関係なく互いの健闘を称え合う。ダイバーシティ=多様性のスポーツと言われるラグビーが、現代社会に提供できる価値は多い。「THE ANSWER」では、「One Rugby」を通じてラグビー界、そして社会が一つになれることを願い、それぞれのラグビーが持つ魅力を伝える連載「One Rugbyの絆」をお届けしている。
第8回は、1チーム13人でプレーするフルコンタクトのラグビーリーグをご紹介する。広く浸透している15人制ラグビーの「ユニオン」から派生した競技で、よりスピーディかつエキサイティングな試合になるよう独自の変化を遂げたスポーツだ。留学先のフィジーでラグビーリーグの面白さに魅せられた日本代表の狩野堅太さんに話を聞いた。
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フルコンタクトのラグビーと聞くと、真っ先に思い浮かぶのは15人制ラグビーだろう。昨年、日本で開催されたW杯は大きなムーブメントを生み出し、世界をラグビー熱で包んだ。だが、同じフルコンタクトのラグビーに13人制の「ラグビーリーグ」があることは、日本ではあまり知られていない。
元々、1800年代にイングランド中部で生まれたラグビーは一つのスポーツだったが、1895年に選手の労働問題を巡って分裂。イングランド南部を中心とするアマチュア主義を謳ったラグビーユニオン(現在の15人制)と、イングランド北部を中心にプロ化を進めるラグビーリーグ(現在の13人制)として、それぞれの道を歩むことになった。
いち早くプロ化が進んだラグビーリーグでは、観客がより楽しめるスポーツであることを意識し、ルール改革にも積極的に取り組んだ。1チームの人数を15人から13人に減らしたほか、ラック、モール、ラインアウトといったセットプレーをなくし、タックル6回で攻撃権が相手チームに移るなど、より動きのある試合を意識した独自のルールを生み出した。
「ラグビーユニオンとアメフトを足して2で割ったような競技だと、よく言われますが、それが一番分かりやすい説明なのかなと思いますし、やってみてもやっぱり中間なのかなと思いますね」
こう説明する狩野さんが、ラグビーリーグと出会ったのは留学先のフィジーだった。15人制はもちろん、7人制は「世界で一番盛ん」なフィジーに行ってみると、そこには13人制、タッチラグビー、タグフットボールなど、あらゆる種類のラグビーがあった。