他に先駆け公式戦の再開決定 「スポーツが必要か?」に日本ラクロス協会が出した答え
「ラクロスはラクロスをやっている全員のものであって、協会のものではありません」
公式戦再開という決定のみを発表するのではなく、決定に至るまでの過程を公開したこともまた、ラクロスが重んじる自主性・主体性に繋がっていく。
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「結果を示すだけではなくて、ちゃんとそこに至ったプロセスだとか、大事にした価値観とか、あとは誰が決めたのかとか、その辺りはすごく丁寧に説明しようということになりました。結果だけを示してプロセスが見えないと、協会と個人アスリートの断絶が起きてしまうし、競技者が自分たちで考える機会がなくなってしまう。協会がサービスを提供し、会員=競技者はサービスを受け取るだけという関係性はやめていきたいと思っています。
日本でラクロスを盛り上げていきたい、ラクロスを通じて人生が豊かになる人を増やしていきたい、というラクロス界共通の思いがある。ラクロスはラクロスをやっている全員のものであって、協会のものではありません。みんなを巻き込むためには、プロセスを開示して一緒に考えることが大事だと思っています」
今後は日本全国にある7つの地区により、所属チームや社会状況、安全面を考慮しながら、それぞれ9月以降に順次、公式戦を再開させる予定だ。具体的な開催方針と計画については、各地区の話し合いに委ねられ最終的には理事会で承認という形を取り、責任の所在を明らかにする。「民主的な方法で、それぞれの地区で議論が進んでいくといいと思います」と安西氏は言う。
今回の方針決定に合わせ、ラクロス協会はこんなスローガンを掲げた。
「Bravely Forward.
蛮勇ではなく真の勇気と知性を携えて、
私たちは進もう。」
同時に、朝令暮改も辞さない。全国の学生連盟への通達にはこのようなメッセージを添えた。
「ブレーキを踏むことも、また勇気です。」
踏み出した一歩がラクロスと全てのスポーツにとって明るい未来に繋がると信じて、再開に向けた動きは続いている。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)