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【One Rugbyの絆】「違いは生まれてもラグビーはできる」 車いすでも楽しめるラグビーの魅力とは

「まったく同じではなくても、工夫したり形を変えることで、大好きなことや目標に近づいていける」

 もう一つ、ニュージーランドで学んだことがある。それがいわゆる「障がいの受容」だ。

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「車いすになっても『健常者と同じでありたい』という思いがずっとありました。ただ、いろいろチャレンジする中で、健常者と同じやり方ではなくても、そこに二つ三つプロセスを加えることで同じゴールに行けるのであれば、それでいいんじゃないかと考えるようになったんです。まったく同じじゃなくても、同じような環境で変わらず生きていける。その気付きは大きかったですね」

 三阪さんを大きく変えた経験から18年が経ち、日本における車いすラグビーを取り巻く環境にも変化があった。日本車いすラグビー連盟(前身は1997年に発足)には現在、9チームが登録。非公式で活動する3チームを合わせると、日本には12チームがあり、約90人がプレーする。競技人口が少ないように思えるが「ロンドン、リオと連覇しているオーストラリアでも40人くらいなんです」と三阪さん。世界で最も盛んなアメリカは競技人口400~500人を誇るというが、「重度の障がい者が対象となるので、介助やボランティアの協力なしには成り立たない。参画しやすい状況を作るには、まだまだ時間はかかりますね」と話す。

 現在、幅広く車いすラグビーの普及に努める三阪さんは、同じ大阪出身で同い年の元日本代表主将・廣瀬俊朗さんと意気投合。「One Rugby」の他にも「ラグビーキャラバン」という普及活動を行っているが、その中で「どんな状態であれ、ラグビーは楽しめる」というメッセージを発信していきたいという。

「ラグビーというツールを使って、それぞれの競技を盛り上げていきたいと思います。もう一つ、僕は15人制で怪我をして車いすになったけど、ラグビーを続けている。違いは生まれてもラグビーはできるということを、多くの人に知ってもらいたいと思います。まったく同じではなくても、工夫したり形を変えることで、大好きなことや目標に近づいていけるんです。廣瀬君とキャラバンでいろいろな場所に一緒に行くんですが、車いすに乗れば僕は廣瀬君に負けません(笑)。そういう姿を子どもたちに見てもらえると、見方が広がるきっかけになるのかなと。

 ラグビーは好きだけど障がいがある。だったら、車いすラグビーがあるよね。タックルが怖い。だったら、タグフットボールがあるよね。そうやって見方や考え方を変えることで叶うことはありますから」

 少しずつ形は違えど、それぞれの競技でラグビーが持つ楽しさや魅力を感じられる。「One Rugby」の集まりでは「みんなラグビーが好きだなって改めて感じさせられます」と三阪さん。それぞれに刺激を受けながら、また新たな見方や価値観を生み出すことになりそうだ。

【三阪さんが見る「デフラグビー」のここがスゴイ!】

 デフラグビーの好きなところは、観客も試合に参加できるところですね。音が聞こえないので、ノックオンをしたら観客全員がカラーボードを出して、選手に視覚的に気付かせてあげるんです。ああやってみんなで楽しめる方法っていいですよね。

(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)

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