【THIS IS MY CLUB】年俸一部返納は「簡単ではなかった」 宮澤裕樹主将の決断「札幌のために何ができるか」
ペトロヴィッチ体制3年目は「より攻撃的なサッカーができる」
その後も選手やチームは社会的な活動を継続しつつ、オンラインでのグループチャットやトレーニングを通じて現状を報告し合い、来たる再開に向けて黙々と準備を進めた。リーグ再開の通達があったときは正直、「やっと決まったか!」という思いだった、と宮澤は振り返る。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
「サッカー選手として、やっとしっかり準備ができる、早く試合がしたい、という気持ちでした。勿論、コロナ禍における難しい状況はこれからも続きます。でも、これからはプレーをすることで皆を勇気づけていきたい。リーグ再開が本当に楽しみです」
札幌は今季、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督体制で3年目を迎える。過去2シーズン、年間を通しての戦績には安定感を欠いたものの、2018年はリーグ4位、そして2019年は川崎フロンターレと記憶に残る激戦を繰り広げた末、ルヴァン杯準優勝という一定の結果を残した。
「(ペトロヴィッチ監督就任)1年目は、選手たちが今までと違うサッカーを楽しんでプレーできたことが、リーグ戦のいい成績につながったと思います。2年目のリーグ戦については、順位は落ちたものの(10位)、内容はそこまで悪くなかった。
1年目にカップ戦で結果を出せなかったのは、メンバーが入れ替わるなかで、安定したパフォーマンスを出し切れなかった点が大きい。そして2年目は、自分たちが相手に対策をされたとき、跳ね返していく能力がなかったかなと感じている。
でもルヴァンカップで決勝まで行ったことで、チームとしての力の底上げができた。力がついてきた証拠だと思います」
準優勝という目に見える結果を残したことで、勝つためのメンタリティも身に付いてきた。今年は年間を通して、安定した戦いで結果を出すことにフォーカス。今、チーム全体のモチベーションは高い、と話す。
「監督のサッカーは特殊なので、吸収するまでには時間がかかった。でも、根気強く僕らを指導してくれたし、僕らも監督を信じてプレーを続けてきた。
今のサッカーはやればやるほどコンビネーションがよくなるし、チームとしても、個々の選手をみても、レベルアップしていることを感じている。今シーズンは、よりアグレッシブな攻撃的サッカーができるかなと思います」