【THIS IS MY CLUB】札幌・野々村社長が説く “Withコロナ”時代のサッカーとの「新しい向き合い方」
サッカーJリーグは先週末、J2が再開、J3が開幕、そしていよいよ7月4日にJ1が再開する。サポーターにとっては待ちに待った瞬間を目前に、複数のメディアによって構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」はJリーグ全56クラブの主力選手、クラブ幹部、スタッフをインタビュー。「THIS IS MY CLUB - FOR RESTART WITH LOVE -」と題した企画で、開幕、再開を熱く盛り上げる。
クラブのトップがサポーターに伝えたいこと
サッカーJリーグは先週末、J2が再開、J3が開幕、そしていよいよ7月4日にJ1が再開する。サポーターにとっては待ちに待った瞬間を目前に、複数のメディアによって構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」はJリーグ全56クラブの主力選手、クラブ幹部、スタッフをインタビュー。「THIS IS MY CLUB – FOR RESTART WITH LOVE -」と題した企画で、開幕、再開を熱く盛り上げる。
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THE ANSWERではJ1北海道コンサドーレ札幌、野々村芳和社長を直撃。2013年に社長に就任、クラブを立て直した敏腕社長が説く、“Withコロナ”時代のサッカークラブとの向き合い方とは――。
◇ ◇ ◇
――待ちに待ったリーグ再開。クラブとして、待っていたサポーターにはどんなメッセージを?
「楽しみにしていただいている方には、お待たせしましたという感じです。ですが、この先どうなっていくのか、想像もつかない、難しいところはあります。今シーズンだけ、来シーズンだけの事じゃない。これからのサッカーに対する向き合い方を変えていかないと、もしかしたらサッカー自体が出来なくなるかもしれません。私たちフロントスタッフは万全の感染対策と、万全の準備はしますが、サポーターの皆様にも一緒に色々な準備をして、サッカーを見るような空間を作ってもらうことがまずは大きな条件になります。これはメッセージというか、お願いですね。皆様の大好きなサッカーを、以前のような雰囲気に戻すためにも色々なことにご協力いただきたいと思っています」
――再びサッカーが始まる喜びと同時に、観客が入る中での開催には新型コロナ再燃への恐怖があります。
「再び大変な状況になっていくことも想定しておかなければならない。ミシャ(ペトロヴィッチ監督)とも色々な話をしています。クラブがなくならない限りは、いいサッカーを見せたいという想いがベースにあります。そのうえで1試合でも多く、1人でも多くのファンに見せることが我々の使命。そこへ向けて、今の状況の中でのベストの形で運営していく。その先のコロナに関する新しい知見や、エビデンスが出てくる中で、サッカーに向き合う環境が変わっていくかもしれない。最終的にはコロナが発生する前よりも、サッカーを見る環境がよりよくなっているよう考えてやっていくことが必要です」
――中断中には全選手からの総額1億円の報酬返上が大きな話題を呼びました。日本のプロスポーツでは初めてのことです。
「まずは素直に凄いなと思いました。よくそこまで考えられるなと。自分が現役選手だったらすぐに行動に移せたか……。北海道出身の選手も多くて、コンサドーレというクラブの成り立ちや、あり方の部分で選手が感じてくれているものがあったのではないでしょうか」
――クラブとしてはどう受け止めましたか?
「感謝の気持ちです。僕らのところにこの話がきたときには、まず役員報酬を返納した後に、色々な状況を見ながら、受け入れるかどうか考えながら進めていきました。ただ、周りへの伝わり方次第では他クラブや選手に迷惑がかかる可能性もあった。北海道のメディアも、何社かが情報を知っていたようで、強化スタッフにも問い合わせがきていた。
こちらの意図とは違う形で漏れるよりは、ちゃんとした意向が伝わることが大事。選手会にも連絡して、クラブとしてはこう伝えようと準備をして、という流れで発表に至りました。コンサドーレはオリジナル10のようなビッグクラブとは違う、市民クラブです。選手側からの『チームをなくすわけにはいかない』という想いには、すごく勇気をもらいました」