「NEOREBASE」の展望、「プロ野球選手がやっておけば良かった」という情報を提案

――サロン上では参加者からの質問に答えるなどのコミュニケーションもあるそうですね。その中から派生し、池田さんはプロ野球選手も個別に指導しているそうですが、どんなことを教えているのでしょうか？

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池田「指導って合う、合わないという考えをする人が多いですが、合う、合わないが生まれるのは、僕の考えでは末端の動きの部分ですね。手の動かし方、足の上げ方とか。その部分は人それぞれで構いませんが、コアの体幹の部分に関しては正解があると思って指導しています。その部分ってMLBでサイ・ヤング賞を獲るような選手は共通しているんです。人間の体としての正解はこれまでの歴史で決まっているかなと思っていますし、体幹については『これができるといいですよ』と、はっきりと指導しています。それに付随した手の動かし方、足の上げ方と踏み出し方はいろんな選手がいるので、近いタイプの例を参考に出して、自分に合う形を作ってくださいと提案しています。ただ、選手たちからは野球はローテーションという回旋運動の連続なんですが、運動連鎖（様々な筋肉、関節が連動して働くこと）という単純なところで適切じゃない動かし方を長年しているので難しいと言われますね」

――「NEOREBASE」は新しい野球の指導の形です。今後、野球の指導をどう変えたいか、あるいは「NEOREBASE」としてどんなビジョンを持っているか。そのあたりはどうでしょう？

お股ニキ「オンラインサロンの指導があまりない形ですし、コロナの自粛でよりハマった感じもあります。ただ、これからの時代は例えば5Gとか通信システムがもっと整備されて、リアルタイムで動画を送り、ラプソードで測ったものをオンライン上で同時に見ながら指導、なんてこともできるかもしれない。実際に一緒にいなくてもコミュニケーションが取れるような。もちろん、最終的には対面で話さないと分からないこともたくさんあると思います。なので、理想を言えば、サロンがもっと大きくなって自分たちのトレーニング施設を持って、実際に来てもらい、対面で指導するみたいな形もあるかもと思っています」

内田「技術面な指導においては、池田さんが言ったように小学生からプロまで教えるベースは共通。こうあるべきという体を作り、それを動かしたいように動かす、という単純な部分。小山田さんが『野球って、そもそも体に悪い動作だ』と言っていて、本当にその通りなんですが、普通にやっていたら怪我をする。そうならないように、体を動かしたいように動かせるトレーニングをすべきだし、その前提として体を作る、整えるということが必要になってくるので、その部分にはこだわってやっていきたいです」

池田「自分が言いたいのは、サロン上で伝えていることは決してプロでなければできないわけじゃない、ということ。僕が小学生だったとしても、今日から始められる内容。知っておいて損はないし、むしろ（癖がついていない）小中学生の方がやれるんじゃないか。プロ野球選手に話していることも『もっと早くに知りたかった』『ちゃんと勉強しておけば良かった』と言われますし、プロ野球選手が『小さい頃だったら、すぐできたのに……』と思うことが今の子供たちができたら、若い年代の可能性を潰すようなことが減り、将来の道が広がる一歩になるんじゃないかとも思っています」

――時代とともに様々な技術革新があり、野球の指導者も変わるタイミングに来ているかもしれません。

池田「僕らも含め、指導者ももっと学んでいく必要があると思います。『なぜ、その練習やるんですか？』と言われたら『あの名選手がこうやっていたから』と答えることも多いと聞く。自分はMLBのトップ選手の動きを一番参考にしてきました。そもそも持って生まれた骨格が違う、大振りしているだけ、がむしゃらに投げているだけとよく言われますが、関係ないと思います。理論的にも、理に適った体の動きをしないとMLBのトップまで上り詰められないし、それは実際に選手を指導してきても思っています。そうした質の高い情報発信ができるのがオンラインサロンの良さと思っていますし、これからも続けていきたいと思っています」

（第2回へ続く）