将来は「これが普通に」 元五輪スプリンターがオンラインで感じた子供たちとの絆
伊藤氏「小池選手は脚が1秒で5回転。でも実は、子供でもできること」
2本目は「下半身のトレーニング動画」だ。ここでは、直立の姿勢から前に大きく一歩踏み出し戻る運動と、つま先をついたままリズムに合わせてかかとを上下させる運動の2種類が紹介された。いわゆる「ランジ」と呼ばれる動きのポイントは、「体が前に倒れない」「踏み出したひざは90度に」「ひざは真っ直ぐ正面を向く」の3つ。「お尻と太ももの裏が刺激されていれば正しいフォームです。しんどい運動ですが、これは五輪選手もやっている。回数は多くなくていいので、いいフォームで左右合わせて10回くらいやってみましょう」と、伊藤氏はアドバイスを送った。
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つま先をついたままリズムに合わせてかかとを上下させる運動は、壁に両手をつき、やや前傾姿勢で実施。腕振りトレーニングと同じように、子供たちはメトロノームに合わせて1分間に400回のリズムからスタート。続いて1分間に500回のリズムになると、その速さに思わず苦笑いが浮かんだ。伊藤氏が「100メートルを9秒98で走る小池(祐貴)選手は、脚が1秒で5回転します。でも実は、これは子供でもできること。みんなも、これまでスマートコーチでやってきた『前に大きく進むトレーニング』に加えて、今日やった『自分の体を速く動かすトレーニング』もすると、もっとスピードが出るようになると思います」とアドバイスを送ると、子供たちは大きく目を輝かせた。
動画トレーニングが終わると、いよいよ1年間の成果発表だ。伊藤氏は子供たちから送られてきた50メートルのタイム測定動画を事前にチェック。この1年間で50メートル走が9秒台から8秒台になったという藤原大誓くん(5年)には「全体的に体の動きが小さいので、大きく使うことを意識してみよう」とアドバイスを送り、長距離・短距離ともにタイムが縮まったという清水美弥子さん(中1)には「脚が内側を向かないように、内転筋や中臀筋(ちゅうでんきん)を強化すると、もっとスピードが上がると思います」と言葉をかけ、簡単なトレーニング法も伝えた。