【#キミとONETEAM】「ラグビーで子どもがパワーを発散する場所をつくる」―元セブンズ日本代表・築城昌拓
高校生も相次ぐ大会中止「若い子が若い子へもっと発信を。早く収まるかもしれない」
今は家でトレーニングもしていますし、家にいるからできることもあると思い、勉強してビジョントレーナーの資格を取りました。目のトレーニングで速く情報を収集して、それを速く活動に起こすというものです。これをラグビーで使えたら判断能力も速くなるし、小さいころから子どもたちが経験できれば、より高いレベルに行けるのかなと。練習に取り入れられるように資格を取りました。
僕には子どもが3人いて、長女が小6、次女が小3、長男が年長さんです。彼女たちをどう楽しませて毎日過ごさせるかを考えていますね。例えばビジョントレーナーの資格を取ったので、目をつむってかごにボールを投げ入れてみるようなゲームをしたり、数字をランダムに書いた紙を30秒以内に素早くタッチさせてみるなど、ゲームを取り入れています。お風呂場に集合して口に水に含んでみんなで笑わせ合うとか。ふざけながら毎日過ごしています。
僕は足や手首など、ラグビーで大きな骨折を多く経験しました。すべて長期入院になり、4か月の入院もしたことがあります。でも、そのときも楽しんでいましたね。なぜけがをしたか自分で考えていました。次はけがをしないようにするためには関節周りを鍛えよう、足の指から鍛えようとか。日常生活で使うところから意識してみましたね。けがをしたところは何もできないですから。
今の休校は、けがをしたときの入院中と似ていると思っています。けがで入院したときは何もできない。でも、けがをしているからこそできることがある。いまの状況と似ていますね。僕は入院中にそれに気づいたので、この自粛期間がめちゃくちゃ苦しいということはありません。
インターハイができなくなり、ラグビーでも中止になった大会があります。ただ、中止になったからといってダラダラするのではなくて、いつでもパフォーマンスを発揮できるように準備をしてほしい。若者が外出するというニュースもあり、僕らも発信はしますが、若い子が若い子なりに、若い子に向けてSNSなどで発信すればもっと早く収まるかもしれません。全員がそういう意識でいないと収まらないと思うし、早く終息できれば夏のインターハイがダメでも、秋などに何かしら別の規模の大会が開催できるかもしれません。
アピールすれば、何かしらの形でパフォーマンスを発揮する場所ができるかもしれない。僕は呼びかけることしかできないけど、みんなが頑張って早く終息させることができれば、そういう大会に対して僕らもお手伝いできることもあるかもしれない。今は何かしら大会ができるように早く収めさせようということですね。当事者ではないのでなんとも言えませんが、本当に外に出ないでみんなで早く終息させようとすること。若い子にももっと発信してほしいと思いますね。
今は自宅にいて娘たちもやっぱり学校に行きたいと言っています。子どもたちのパワーが有り余っているので、この状況が終息したらラグビーを通じて子どもたちのパワーを発散する場所を作りたいです。
【#きょうのトライ「何か一つ目標を立てる。成長していく自分を楽しんで」】
何か目標を1つ立ててほしい。きょうはこれをしようと思って目標を持たないと、一日ダラダラしてしまう。きょうはここまで勉強しようとか、きょうはこの本を1冊読もうとか。なんでもいいから目標があれば、一日が過ぎても気づいたら知識が増えるし、自宅でできるトレーニングをすれば強くなる。一日、一日、どう目標を立てられるかが大事だと思います。
目標はできそうなことのほうがいいですね。みんなが挑戦しやすいことでいい。自分にきびしくできる人は目標を高く持ってほしいですが、それが難しい人は、きょうはお母さんを2回喜ばせるとか、何でもいいですよ。本当にシンプルでいいと思います。人間としてきのうよりきょう、成長していく自分を楽しんでもらえたらなと思いますね。こういう状況ですが、逆にその中でできることを探して、子どもたちにもそういうふうになってもらいたいなと思います。
■築城 昌拓(ついき・まさひろ)
1983年7月26日生まれ、福岡県出身。福岡西陵高から福岡大に進学。トップチャレンジリーグに所属するコカ・コーラレッドスパークスで12年間プレーした。現役時代、7人制日本代表で主将を務めた経験もあり、2009年のワールドカップ・セブンズに出場。18年に34歳で現役引退。今年1月までチーム広報を務め、4月から福岡でタレント活動を行い、競技普及へラグビースクールを計画中。ポジションはウイング。
(次回は元日本代表・真壁伸弥さんが登場)
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)