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【#キミとONETEAM】「『憧れ』が夢に近づける。僕は平尾誠二さんに憧れた」―元日本代表・大西将太郎

新型コロナウイルスの感染拡大により、昨秋のワールドカップ(W杯)で空前のブームが巻き起こったラグビー界も大きな影響を受けた。1月に開幕したトップリーグがシーズン途中で中止。1試合の観客最多動員を記録する試合も生まれるなど、W杯から続いていた盛り上がりが予期せぬ形で途絶えてしまった。

元日本代表の大西将太郎さん【写真:Getty Images】
元日本代表の大西将太郎さん【写真:Getty Images】

子どもたちともう一度「ONE TEAM」に―「ラグビー選手から午前9時のメッセージ」第13回

 新型コロナウイルスの感染拡大により、昨秋のワールドカップ(W杯)で空前のブームが巻き起こったラグビー界も大きな影響を受けた。1月に開幕したトップリーグがシーズン途中で中止。1試合の観客最多動員を記録する試合も生まれるなど、W杯から続いていた盛り上がりが予期せぬ形で途絶えてしまった。

【注目】現役、OB、指導者ら豪華メンバーが連日登場 ラグビー連載「#キミとONETEAM」全一覧はこちらから

 もっとプレーを見せたかった選手、プレーを見たかった子どもたち。距離が遠くなってしまったいま、「THE ANSWER」はラグビー界がもう一度、子どもたちと一つになれることを願って、「#キミとONE TEAM」と題した連載をお届けしている。

 元日本代表主将の菊谷崇さんと廣瀬俊朗さんが発起人となり、多くの現役、OB、指導者らが賛同。いま抱えている思いとともに、全国の子どもたちに向けたメッセージを送る。また、記事は連日午前9時に配信。「#きょうのトライ」として、学校が休校となっている子どもたちにきょう1日を使い、やってほしいことを提案する。

 第13回は、元日本代表・大西将太郎さんが登場する。07年ワールドカップ(W杯)フランス大会に出場し、当時の日本代表の連敗記録「13」ストップに貢献した名センター。現在は解説者として活躍する41歳は自身のキャリアを振り返り、「憧れ」が持つ力について子どもたちにメッセージを届けた。

 ◇ ◇ ◇

 ラグビーを見ることができなくなり、しばらく経ちました。こんなに長い期間、ラグビーが開催されないことはなかったこと。ただ、昨年にW杯を開催することができ、世界各国の人が集まって日本の良さだったり、みんなで一つになる良さだったり、ラグビーを通して伝わりました。いまはあのような機会がまた来るようにという思いを力に変え、過ごすしかありません。

 トップリーグはすごい盛り上がりでした。今まで来てもらえていなかった年齢層や女性も含め、全会場でたくさんの観客が楽しみにして来られていました。なにより子どもたちが「ラグビーを見たい」と思ってくれていることがすごく伝わり、このまま優勝争い、日本選手権など、さらにハイレベルな試合を見せてあげたかった。それは選手たちが一番、思っていたと思います。

 W杯で多くの子どもたちも「ラグビーが楽しい」と知ってくれたのではないでしょうか。見ても楽しい、やっても楽しいと思ってくれた人たちが多かったと思います。このままラグビーというスポーツが日本のスポーツの中で文化として成り立って行ってほしかったし、このまま五輪に熱をつなげていけたという思いはあるけど、いまは全世界この状況。仕方ない部分もあります。

 ただ、いまこれだけ盛り上がっているラグビーですが、子どもたちが知らない歴史があります。たとえば、僕がW杯に出場した07年のフランス大会、1次リーグ敗退で帰国したときに待ってくれていた記者は2人だけでした。当時のラグビーW杯はどこかほかに国でやるもの、日本にあまり関係ない、なじみのないスポーツの祭典というイメージがラグビー界にもありました。

 しかし、実際に参加した僕の立場からすると、W杯は素晴らしい大会と思っていました。観客の皆さんはもちろん、国中が一つになっている。そういう体験をしたので、アジアで初めての開催が日本でできることになったとき、一人でも多くの人にあの熱気、素晴らしさを伝えたいという思いを持ち、元日本代表として解説など大会を盛り上げるお手伝いをさせてもらいました。

 日本大会は素晴らしい大会になりました。国民的行事になり、日本中の皆さんが関心を持ち、W杯を楽しんでくれて心からうれしかったし、夢がかなった気持ちでした。07年大会を経験していた僕にとっては、考えられない盛り上がり。それまで日本代表で戦ってきた人たち、ラグビー界に携わってきた人たち、すべての思いを背負って昨年の日本代表は戦ってくれたと思います。

 現役時代はもちろん、自分がしているスポーツが好きだし、魅力あるものでした。それを一人でも多くの人に伝えるために普及活動など、やれることやっていたけど、何よりも日本代表が強くなることが大切でした。その中で今の日本代表は世界と戦い、勝てるようになり、子どもたちの関心を生んでくれた。みんなが初めて見る景色を届けてくれた選手たちには、非常に感謝しています。

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