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【#キミとONETEAM】「家にいれば家族を助けられる。この時間を家族でいい方向へ」―元日本代表・大野均

新型コロナウイルスの感染拡大により、昨秋のワールドカップ(W杯)で空前のブームが巻き起こったラグビー界も大きな影響を受けた。1月に開幕したトップリーグがシーズン途中で中止。1試合の観客最多動員を記録する試合も生まれるなど、W杯から続いていた盛り上がりが予期せぬ形で途絶えてしまった。

東芝ブレイブルーパスの大野均さん【写真:Yuka SHIGA】
東芝ブレイブルーパスの大野均さん【写真:Yuka SHIGA】

子どもたちともう一度「ONE TEAM」に―「ラグビー選手から午前9時のメッセージ」第10回

 新型コロナウイルスの感染拡大により、昨秋のワールドカップ(W杯)で空前のブームが巻き起こったラグビー界も大きな影響を受けた。1月に開幕したトップリーグがシーズン途中で中止。1試合の観客最多動員を記録する試合も生まれるなど、W杯から続いていた盛り上がりが予期せぬ形で途絶えてしまった。

【注目】現役、OB、指導者ら豪華メンバーが連日登場 ラグビー連載「#キミとONETEAM」全一覧はこちらから

 もっとプレーを見せたかった選手、プレーを見たかった子どもたち。距離が遠くなってしまったいま、「THE ANSWER」はラグビー界がもう一度、子どもたちと一つになれることを願って、「#キミとONE TEAM」と題した連載をお届けしている。

 元日本代表主将の菊谷崇さんと廣瀬俊朗さんが発起人となり、多くの現役、OB、指導者らが賛同。いま抱えている思いとともに、全国の子どもたちに向けたメッセージを送る。また、記事は連日午前9時に配信。「#きょうのトライ」として、学校が休校となっている子どもたちにきょう1日を使い、やってほしいことを提案する。

 第10回は、トップリーグ・東芝ブレイブルーパスの大野均さんだ。2007年から3大会連続でW杯に出場し、15年イングランド大会ではエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)の下、日本代表として戦った。日本代表キャップ数は歴代最多98を誇る41歳の鉄人だ。

 ◇ ◇ ◇

 去年のW杯はすごい盛り上がりがありましたね。日本代表の躍進が大きかったし、選手たちのハードワークには敬意を表したい。尊敬すべきものです。現役である以上はその場に立ちたかったという思いはありますが、そうじゃなくてもアジア初開催のW杯を成功させるために、外からでもできることはぜひ協力したいという思いで過ごしていました。周りへのPR、イベント出演のお話があれば、できるだけ参加させていただきました。

 テレビの視聴率は試合を重ねるごとにすごいものになっていきました。日本代表以外の試合もですね。開幕までは、日本戦以外の試合に本当にお客さんが入るのかという心配もあったのですが、どの試合も満員のお客さんがつめかけてくれました。事前キャンプで各国の代表選手がいろんな地域にキャンプを張ってくれた。その時に地元の人が身近でラグビー選手の大きさに触れたり、彼らの行動をリスペクトしたり、日本人がそれに触れて「試合に行ってみよう」という気持ちになってくれたのかなと思います。

 ラグビー選手の他のスポーツ選手にない魅力は「身近」であることですよね。サインを求められた時に比較的気さくに応えてくれる選手が多いかなと思います。やっぱりファンを大切にする。オールブラックスの活動を見ていても、あれだけのスーパースターたちも普通にファンと接しているのを報道で見ていました。

 10月の台風で試合が中止になったカナダ代表が、次の日に釜石の復興に対して協力しているのもラグビーで培った精神力。それが表に出た行動です。ラグビー選手はこういう気持ちを常に持っているということが、他の人に伝わったと思います。

 トップリーグにお客さんがたくさん入ってくれるのは、開幕前から予感していたこと。来てくれたお客さんをがっかりさせず、そういうパフォーマンスを見せたいというのは、どのトップリーガーも思っていたことだと思います。試合に出ていない選手もスタジアムでファンサービスをしっかりしてくれて、ラグビー選手は身近な存在なんだとしめしてくれました。

 これだけラグビーに対する反響がある中で、この中止はすごく残念だし、もったいないと思いますが、世界中がこういう状況ではしかたないこと。東芝ブレイブルーパスは全員がしっかりポジティブにとらえています。まずはこのコロナが終息することが第一優先。特に暗い雰囲気はありません。いまは外出自粛中なので、家の中で過ごす時間が長くなっています。そんな中でも、いままでにない時間をとれているので、家のそうじをしたり、本を読んだり、家の中でできる簡単なストレッチや筋トレをしています。

 子どもたちは「外に出られなくて何もできなかったな」と思うかもしれないけど、家にいることで「今日も一日、コロナを終息させることに向かうことができた一日なんだ」って考え方を変えてほしいなと思いますね。

 高校生などの大会中止が続いています。こればかりは本当に気の毒というか、本当に悔しい思いをしていると思います。でも、世界中の人がそういう思いをしているんだと、そういう悔しい思いをしたのは自分だけじゃなく、みんなそういう思いをしている。その中でまずはしっかりと自分の身を守って、この状況が終息することに協力してほしいなと思います。

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