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【#キミとONETEAM】「料理や掃除、小さな事でも子どもと一緒にするのがいい時間」―元日本代表・立川理道

寮生活で学んだ仲間と一緒に乗り越える大切さ「つらい時もあったけど…」

 途中でシーズンが終わってしまったことは選手としてもすごく残念です。もちろんファンの方に継続して試合を見せられなかったというのもありますが、今年で引退したり、退団してしまう選手のことを思うとすごく寂しい気持ちになりました。どうしても仕方ないことなので、すごくつらい気持ちにはなりました。これで引退する選手たちを、どう送り出してあげるかというのも大事かなと思っています。

 やっぱりファンの人たちにもシーズンの最後までプレーを見せられなかったことは、すごく残念なので、再開されるときはさらに盛り上がってもらえるような試合をしていきたいなと思います。

 自分には5歳と2歳の娘がいます。下の子はもうすぐ3歳です。今まで遠征や合宿などでおおよそ1年の半分くらいしか家にいる時間がなかったので、子どもたちはすごく喜んでくれています。行ける範囲で公園に行ったり、家で遊んだり。単純に3食一緒にごはんを食べる機会が増えて、家族との時間ができたのはよかったとは思います。

 子どもは好きなように遊んでいますが、妻は毎日ごはんも作らないといけないですし、やっぱり少し大変な部分もあるのかなって。どこにも行けないし、感染したくないという気持ちもあるので、ストレスを抱えているのかなと思いますね。

 その中で自分が娘とお昼ごはんを一緒に作ったり、風呂掃除をしたり、洗濯物を畳んだりしています。小さなことですが、今までなかった時間なので、できれば子どもと一緒にやることがいい時間なのかなと思います。

 自分はラグビーを通じて、自分自身がしんどい時でも、誰かのせいにしないということが身についたと思います。高校や大学で寮生活をした時は、つらい時もありましたけど、その時に誰かのせいというよりも「誰かと一緒に協力してやる」と考えてやってきました。それがすごく今にも生きていますね。

 やっぱり下級生は掃除などやることも多いし、先輩との関係など新しい環境に慣れるまでの期間は特に大変だった記憶があります。4月になって、もしかしたら正式に入部できていない子もいるかもしれませんが、先輩や後輩に対してどう接していくのかがすごく大切かなって思いますね。

 ラグビーをやっている子たちの中で、特に高校生は3年間という時間が限られていると思います。3年生は多くの大会がなくなってしまったかもしれないけど、SNSなどリモートで仲間とつながることができると思います。こんな時だからこそアイデアを出して「あの時はよかった」と言えるようなことをやってほしいです。スポーツはそういう力が凄く強いので、それを大事にしてほしい。今後、大事な仲間になっていきますから。

【#きょうのトライ「お父さん、お母さんの言うことはしっかり聞きましょう」】

 お父さん、お母さんの言うことはしっかり聞きましょう(笑)。ごはんを座って食べるとか、片づけをするとか。お父さん、お母さんは、すなおに聞いてくれることがすごくありがたい。言うことを聞かないと、だいたいお母さんが怒りますよね。お母さんのきげんが悪くなると、お父さんがちょっと大変。お母さんのきげんを悪くしないでね(笑)。

 あとは時間を見つけて、練習をできる時は練習をする。ラグビーの試合を見たり、1日1回はラグビーのことを考えてほしい。ずっとじゃなくてもいいので、1回はラグビーのことを考えることがすごくいいと思います。

■立川 理道(たてかわ・はるみち)

 1989年12月2日生まれ、奈良県出身。4歳からラグビーを始め、天理高から天理大に進学。4年時には主将として、同大初の全国大学選手権準優勝に導く。2012年に日本代表初キャップを獲得すると、不動のセンターとして活躍。15年W杯に出場。スーパーラグビーのサンウルブズでも共同主将を務めた。現所属はクボタスピアーズ。ポジションはセンター、スタンドオフ。日本代表キャップ数は55。

(次回は三菱重工相模原・土佐誠さんが登場)

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(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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