だから訪れた「その瞬間」 “平成のスライディング王”が語るプロ入り秘話
複数のポジションを経験することの重要性、「外野なんて一度もやったことがなかった」
最初のうちはポジションを絞りすぎないことも重要と話す亀山さんは自身の経験談を交えながら、子供たちにこんなアドバイスも送った。
「自分はプロに入った時は、三塁手として入ったけど、阪神タイガースでは外野手としてプレーした。それまで外野なんて一度もやったことがなかった。それでも一生懸命練習すればできるようになりました。みんな、まだ小学生。自分はピッチャーだとか、ショートだとか決めつけず、できるだけたくさんのポジションを経験してほしい。中学、高校と上がっていくうちに、ポジションが次第に決まってくるので、今のうちにできるだけ色々なポジションを経験しておいて下さい。それは絶対に役立ちます」
この日、子供たちは口々に「将来の夢はプロ野球選手」と宣言していった。その夢に少しでも近づくために、亀山さんも全力でサポートする覚悟だ。これから定期的に課題を与え、その成果を動画を通じて確認、修正した上で、新たな課題を与えていく。その成果の発表会は1年後だ。
「プロ野球選手になるなんてどうせ無理だと思わないでほしい。実際に自分もそう思っていた。とにかくやめないこと、やめてしまってはプロ野球選手になる可能性はゼロになる。続けていれば少ない確率かもしれないけど、1%かもしれない。それ以下の0.001%かもしれない。けど最後に必ず“1”がつくからゼロではない。それを少しでも100%に近づけるのが練習であり、努力。それを一生懸命続けていたら必ずチャンスは来る、と思って日々取り組んでほしい」
そう訴えた亀山さん。今後、子供たちはどんな成長を遂げていくのか。彼らの中から将来の甲子園球児、そしてプロ野球選手が生まれるかもしれない。
【了】
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer
村上正広●写真 photo by Masahiro Murakami