だから訪れた「その瞬間」 “平成のスライディング王”が語るプロ入り秘話
甲子園の夢実現せずも、訪れた「その瞬間」
引退後、少年野球チームを3年で少年野球世界大会優勝に導いた実績もある亀山さんはこの日、子供たちに何を伝えたかったのか。それは「諦めないこと」の大切さだった。熱心に語りかける中でこんなプロ入り秘話も伝えている。
「野球をやっていたので、プロ野球選手になりたいという気持ちはありましたけど、どうせなれっこないと思っていたのが正直なところ。小学5~6年生になったら少しだけ欲が出てきて、なってみたいなって思った程度でした。純粋に野球というスポーツを一生懸命、楽しんでやっていただけです。高校3年生の時にスカウトから声がかかるまでは、なれるなんて思ってもいなかった。なれたらいいなというレベル。
プロになりたいという目標よりも、高校野球で甲子園に出たいという目標のほうが大きかった。その目標を達成するために一生懸命練習をしました。でも、その目標は達成できなかったんだけど、阪神タイガースのスカウトの人が、エースピッチャーだった双子の弟を見に来ていた。その試合、弟が怪我をしてしまって投げられなくなって、たまたま自分が打ってしまった。それを見ていたスカウトの人が弟ではなく自分を獲ってくれた。それまで一生懸命練習をしてこなかったら、その瞬間は絶対になかった。だから目標に向かって一生懸命努力をすることはとても大事だと感じました」
残念ながら兄弟揃ってのプロ入りはならなかったが、真剣に打ち込んでたからこそ、プロ入りを実現できた。どこにチャンスが転がっているかわからない。その機会を逃さないためにも、日々の積み重ねが大事なのだと亀山さんは言う。