だから訪れた「その瞬間」 “平成のスライディング王”が語るプロ入り秘話
7月16日。福島・いわき市で熱心に子供たちを指導する元プロ野球選手の姿があった。小学校2年生から6年生を対象とした野球教室で、熱のこもった言葉が響き渡る。
ユニークな野球指導に挑戦、元阪神・亀山氏が振り返るプロ入り秘話
7月16日。福島・いわき市で熱心に子供たちを指導する元プロ野球選手の姿があった。小学校2年生から6年生を対象とした野球教室で、熱のこもった言葉が響き渡る。
この日は1年を通じた野球教室の始まりの日。といっても、これから毎日直に接して指導するのではなく、スマートフォン上の動画を通じて1対1の個別指導を続け、子供たちが設定した目標に少しでも近づけるようにするというユニークな試みだ。この日はそのプロジェクトのスタートであり、今後1年“先生”を務める指導者が全員の前で挨拶をし、指導のテーマを伝えた上で、子供たちそれぞれの夢や目標を確認していった。
このプロジェクトの“先生”に就任したのは元阪神タイガースの亀山つとむさん(47)だ。
1987年にドラフト外で阪神に入団。以降、背番号00を背負ってオールスターにも2度出場を果たし、果敢なヘッドスライディングを続けたことから「平成のスライディング王」と呼ばれたこともあった。一時は「亀山フィーバー」も巻き起こるなど大きな人気を博したが、故障などもあり1997年のシーズンを最後に引退。28歳の若さだった。
以来、解説者や少年野球の指導を続けてきた亀山さん。この日は目の前で自身の現役時代の写真が配られると、「僕が登場する前に見せて下さいよ。絶対に違う人に見えるやろ? おっちゃん人気選手だったんやぞ」と当時のスリムな体形を眺めながら笑いを誘った。