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アフリカに渡った元Jリーガーの執筆コラムvol.4「アフリカサッカーの現状―ピッチ編」

昨年1月、ザンビアリーグのZESCOユナイテッドFCに移籍した中町公祐。異例のキャリアを歩む34歳が人生を振り返り、自らの言葉で想いをつづる連載「中町公祐アフリカ挑戦記」。シーズン終了まで毎月届ける全9回、第4回は「アフリカサッカーの現状――ピッチ編」。

遠いアフリカの地で、コラムを執筆する中町公祐【写真:本人提供】
遠いアフリカの地で、コラムを執筆する中町公祐【写真:本人提供】

異色の人生を歩む元横浜FMの34歳MFが自らつづる連載「中町公祐アフリカ挑戦記」

 昨年1月、ザンビアリーグのZESCOユナイテッドFCに移籍した中町公祐。異例のキャリアを歩む34歳が人生を振り返り、自らの言葉で想いをつづる連載「中町公祐アフリカ挑戦記」。シーズン終了まで毎月届ける全9回、第4回は「アフリカサッカーの現状――ピッチ編」。

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 日本人にとって、なじみの薄いザンビアという国を選んで戦い続ける日々。ただ、実際にアフリカサッカーはどんなものなのか、サッカーファンも知る機会は少ない。そこで、今回は実際にプレーして感じる“リアル”をレポート。未だに生き続ける「黒魔術」って?

 ◇ ◇ ◇

 東京オリンピックイヤーの2020年を迎え、Jリーグでも各チームが開幕に向けてキャンプ入りしていますね。アフリカのザンビア共和国でプロサッカー選手をしている私は、ヨーロッパのリーグのようなウィンターブレイクがあるわけでもなく、休みなしの年末年始を過ごしました。

 そんな新年早々、1つ前の試合で1アシストを記録した勢いそのままに次の試合では後半5分過ぎから0-1の負けている状況で途中出場。そして、5分足らずで負傷退場。相手は同じ都市ンドラ内にあるチームとの対戦でいわゆるローカルダービーということもあり、いつも以上にタフでラフな試合展開ではあったのですが。

 相手からボールを奪おうとして相手ともつれ、双方倒れた際に、相手が思いっきり足を振り下ろしてきて自分の顔面にヒット。一瞬でこれはダメだなと思いました(笑)

 案外、大怪我した時って頭は意外と冷静なもので、そのまま歩いてピッチをスタスタ出て行ったので、審判も何が起きたか分からず、レッドカードも出されず。顔に当たった直後、血だらけだし、顔に当たった部分が落ちそうになっていたので(気分悪くなった方すいません)、ちょっとただごとではないなと自分では思ったのですが。

 そのままベンチ横で応急処置として医療用ホチキスを5発と糸で縫い、ドクターにまたピッチに戻れるか聞いたところ、すでに交代選手がピッチに入っていました。

 皆さんも気になるアフリカの医療事情の部分があると思いますが、アフリカは広大の土地が広がっているので、全体をカバーできている医療体制はもちろんありません。ただ、都市部になると多分皆さんが思っているよりはそれなりに対応はしてもらえるといったところでしょうか。

 日本にあるような最新テクノロジーの詰まった機械があるわけではありませんが、自分が住んでいる土地でも対応できる病院はあります。首都ルサカに行ったらなおさらですね。ただ、やはり日本との技術や感覚に違いはもちろんあるので、縫ってもらった縫い目について、日本の医師の方に聞いたところ相当荒いみたいで傷は残ってしまうと……。

 以前の自分だったら、それなりにショックがあったかもしれませんが、それよりもせっかくのチャンスを掴み切れず、また離脱ということの方が思うことはありましたね。

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中町 公祐

1985年9月1日、埼玉県生まれ。高崎高(群馬)を経て湘南に入団。同時に慶大に入学し、08年から2シーズンは大学でプレー。10年に福岡に加入し、12年に横浜Mに移籍。13年は天皇杯優勝に貢献し、同年のJリーグ優秀選手賞を受賞。翌年から選手会長に就任した。19年1月からザンビアのZESCOユナイテッドFCに移籍。同国ではサッカーと医療でアフリカ地域支援するNPO法人「Pass on」(https://pass-on8.net/)の代表理事を務め、幅広い活動を行っている。174センチ、74キロ。Jリーグ通算341試合出場、35得点。

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