良いリーダーは「良いセールスマン」の真意は? エディー氏が説く“リーダー論”
チームの歯車がずれ始めたときに、どうナビゲートできるかがリーダーの手腕
チーム内でのヘルシーな競争は組織力を高めるのは間違いない。一方で、人間関係のこじれ、個々の性格の不一致など、ひずみは必ず出てくる。競争原理が間違った方向に働き、足の引っ張り合いになると、組織としての発展どころか後退につながってしまう。どう対処すればいいのだろうか。
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「チームというものは上手く歯車がかみ合う時と、合わない時とが必ずやってきます。状況は常に行き来している。ヘルシーな状態に向かって動いているか、ヘルシーではない状態に向かっているか、そのどちらかです。チームのダイナミズムという観点では。チームの歯車が噛み合いはじめた時には、その裏ですでに問題が生まれ始めています。それを解決しつつ進んでいく。でも、問題や課題はつきもの。必ずついて回るものです。そこをいい方向にナビゲートするのが一番難しいところです」
うまく回っているように見える時こそ、何らかの問題が発生しているのだと指摘。だからこそ、早めの対処、適切な修復がカギになるのだと百戦錬磨の名将は強調する。
「チームは古い車のようなものです。何かを直していると、次の問題が出てきます。でも、観察しながら対処していけば、大きな問題にならずに走り続けてくれる。勝てば勝つほど、自己満足が大きくなり近くに寄ってくる。自己満足の思いは多かれ少なかれ、常にあるものです。負ければ負けるほど、不安に襲われる。その2つのバランスが大事。古い車に息を吹きかければ問題が解決するということではありません。
これはどんなビジネスにも当てはまります、人生そのものです。W杯でイングランドは決勝まで進みましたが、優勝はできませんでした。ということは、我々に問題があったということです。その問題を見極めることができませんでした。日本も勝ち続けたけれど、準々決勝で負けてしまった。何か問題があったということです。もちろん、場合によってはチームが万全でも負けることはあります。それでも、そこに向かうまでのより良いやり方があるのです。乗り越えるためには、それぞれの分野に集中して取り組むことなのです」
あらゆる箇所にガタのきている古い車。一度止まってしまえば2度と走り出せないような車を、どうハンドルを切って巧みに走らせるのか。それこそが指導者、リーダーに求められる役割だとエディー氏は考えている。
(THE ANSWER編集部・角野 敬介 / Keisuke Sumino)