高校の部活指導で感じた“モヤモヤ” 元Jリーガー森山泰行、53歳で学ぶ選手主体の理論
女子サッカークラブのコーチとして再び指導現場へ
愛知県岡崎市でJリーグクラブをシンボルとした総合型地域クラブの構想に市民とともに関わった森山氏は、この夏から名古屋市を拠点にする女子サッカーの朝日インテック・ラブリッジ名古屋のストライカーコーチとして再び指導の現場に立っている。「女性の活躍の場をつくる応援など社会貢献活動をしたいし、指導者としてはやっぱりJリーグの監督にもいつかトライしてみたいですね。さらに子供や若者がスポーツに関わることで積極性を養うような人財育成もやってみたい」と今後の構想を広げる。
「ガンガン体が動く時はプレーでアピールすればよかった。でも、社会があってのサッカーチームで、サポーターやスポンサーなどの応援に支えられている。クラブが何を地域にもたらすのか、どういう使命があるのかと考えると、ピッチで活躍し勝つことを目指すことと、自分たちの在り方や理念、想いをつなげていってクラブの存在価値を高めていくという、2つのゴールを目指すことが大切。そういうサッカーやスポーツのいいところを伝えていくのが僕の使命だと思っている」
ボトムアップ理論を通じて、自分の目指すところを再確認した。
■森山泰行(もりやま・やすゆき)
1969年5月1日、岐阜県生まれ。帝京高、順天堂大を経て92年に名古屋グランパスエイトに加入。アーセン・ベンゲル監督時代に途中出場から高い得点率を誇り「スーパーサブ」として活躍した。J1ではリーグ戦通算215試合出場66得点、97年には日本代表で1キャップを刻んだ。98年にスロベニアの強豪ヒット・ゴリツァでプレー。2005年には東海社会人リーグ2部だったFC岐阜に加わり、08年にJリーグ昇格。14年から5年間は埼玉県の浦和学院高校サッカー部監督を務めた。19年にJFLのFCマルヤス岡崎にチームディレクター兼選手として加入。22年になでしこリーグの朝日インテック・ラブリッジ名古屋のストライカーコーチに就任した。
(松本 行弘 / Yukihiro Matsumoto)