「あなたならできる」で子供は育つ 杉山愛の母が語る、トップアスリートの育て方
いずれ迎える引退、セカンドキャリアでバーンアウトから逃れる方法
――先程の質問とも関連してきますが、どんなに成功したアスリートも、いずれは引退の時を迎えます。引退後の道を歩む時、何を持っていれば充実したセカンドキャリアを送ることができ、バーンアウトから逃れられると思いますか?
「そこはまた最初の話に戻って、やはり理念だと思います。スポーツを通じて何をやりたいのか? どういう人間になりたいのかという哲学があれば、例え具体的な目標が変わっても、本質的に目指すところは変わらないはず。何をやるにしても、人生の軸がぶれることはないと思います。ですから自分の人生の哲学を持つことは、本当に大切だと思います。『私は人の役に立ちたい』とか『新しいことに挑戦する』などの理念を持っていれば、それに反したことは選択肢から外れていくので迷いにくいですよね。
自分のテーマを言葉にしておくのも良いでしょう。例えば杉山家の家訓は『愛情、思いやり、挑戦』。そのようなキーワードがあると、常に進む道を選びやすいと思います」
(終わり)
【了】
内田 暁●文 text by Akatsuki Uchida