オーバートレーニング症候群と鬱病だった元陸上800m女王 日本5位まで戻ってきた「奇跡」の1年間
思い悩む選手へ「顧問の先生の言うことが絶対だと思うけど…」
若い世代や同じように悩む選手たちへ、経験者として届けられるメッセージとは。
「おそらく、高校生とかは顧問の先生の言うことが絶対だと思うので、抜きの日は確実にしっかり抜いた方がいいというのは言えますね。練習をしないと不安になるとは思うけど、やっぱり休むことも練習だと思う。オンとオフをしっかり切り替えてやること。若いうちはいいですけどね(笑)。今後のことを考えると、やっぱりそうした方がいいと思います」
思い悩む選手の周りにいる仲間、指導者、家族はどうアプローチすればいいのか。「やっぱり本人が信頼している人の言葉が一番刺さる。だから、その人から『休む時はしっかり休んだ方がいい』と止めてあげた方がいいと思います」
決勝は最後の直線で力及ばなかった。5年ぶりの優勝には届かなかったが、昨年からの復調を印象付けた今大会。「出し切ったので悔いはないレース。私の復活する姿を願ってくださっている方々がいる。去年より成長して戻ってこられて、少しでも笑顔で元気に走っている姿を届けられたのでよかった」。息を切らしながらも笑顔で振り返り、来年のパリ五輪出場、タイムの更新にも前向きだった。
「一番最初に日本人女性で2分を切るとを宣言したのは私。そこは自分が一番、有言実行しなきゃいけないことだと思うので、そこは変わらず狙っています」
最後は強い言葉に決意を込めていた。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)