「怒号を飛ばす」育成指導者を目撃 学生起業家に湧き上がった環境改善への使命感
育成指導の課題は、いかに「個人」に目を向けられるか
一方で木村氏は、「トップダウンか、ボトムアップか」という議論よりも、育成指導には大事なことがあると指摘する。それはいかに「個人」に目を向けられるかだ。
「個人の今の課題を、指導者と選手が共有し、一歩一歩前に進めながら、成長した実感を持たせられるかが育成では大事なことだと思います」
ただし、一人の指導者が、チームの一人ひとり全員に寄り添うことは難しい。
「僕は今、(1学年)10人程度のチームを指導しているのですが、一人ひとりの個性や課題が違うなかで、それぞれにどのように向き合っていけるかが大事だと考えています。子供としてもコーチに見てもらえていると思えば、成長のスピードもやりがいも変わってくるはずです。良くないのは、単なるチームの駒として扱ってしまうこと。そうではなく、その子がやりがいを感じ、サッカーをやって楽しかったとか、上手くなれたとか、自分なりの成功体験を掴めることが、一番いいことだと思います」
そうした課題をいかに解決していくか。その想いが木村氏の新たな事業、電子版スポーツノート「Aruga」(アルガ)へとつながっていくことになる。
(後編へ続く)
■電子版スポーツノート「Aruga」(アルガ)
https://aruga.site/
(原山 裕平 / Yuhei Harayama)