「選手たちを理解し、愛せるか」 世界的名将ベンゲルが説く、監督のあるべき姿
日本代表監督のオファーを受ける可能性…「代表チームの監督をするなら日本」
そこで優れた指導者の定義を問うと、ベンゲルは冒頭の通りに表現したのだ。
「愛した相手にはポジティブなアプローチを確立しようとする。もちろん論理的に言えば、優れた監督は全てを備えていなければならない。知性、辛抱強さ、闘争心…。しかし現実にサッカーでは、神が天から降りてきて指揮を執るわけではないからね。誰かが代行する。それが監督だ。ストレスも多く、耐久力も絶対条件になる」
ちなみにベンゲルにインタビューをしたのは、2002年の日韓ワールドカップ期間中で、すでにフィリップ・トルシエは任期を終えていた。
将来、日本代表監督のオファーを受ける可能性について聞くと、こんな答えが返ってきた。
「代表チームの監督をするなら日本しかないと思っている。でも、それは20年くらい先の話になるかな。もう両手に杖をついていて、若返りの薬でも用意してくれれば、日本に来られるかもしれないね」
【了】
加部究●文 text by Kiwamu Kabe