「箱根がすべてではない」 城西大・櫛部静二監督、駅伝指導の根底にあるトップ選手育成の夢
トップ選手育成を実現するために箱根駅伝で結果を出す
――2001年に城西大のコーチになられて、初めて箱根駅伝に出場したのが04年でした。今まで続けてきた中で、学生への接し方で変化はありましたか。
「基本的には変わらないです。最初の頃は、兄貴的な存在で学生と一緒に走って練習をしていました。でも今は、年齢がかなり離れてしまい、学生からするとかなり距離があるといいますか、学生の父親ぐらいの差があるので、距離感は昔とだいぶ違ってきていますね。」
――指導する上で、箱根駅伝というのは、やはり大きなものなのでしょうか。
「大学は箱根駅伝での結果を求めてきますし、そのためにバックアップもしてもらっています。そこで結果を出すことは大事なことですが、個人的な指導の目標で言うと、箱根がすべてではない。世界陸上とか五輪に出場する日本代表選手、日本選手権で優勝を狙えるような選手を育成したいというのが根底にあります。
ただ、いくら僕が指導で良いものを持っていたとしても、教える相手がいないと何も起こりません。それを実現するために箱根駅伝で結果を出し、自分が本来やりたいことであるトップ選手を育成していく。その両輪を上手く回して、指導者として成長していきたいと思っています」
(佐藤 俊 / Shun Sato)