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「箱根駅伝の捉え方も変わってきている」 東洋大・酒井俊幸監督が大切にし続ける“その先”の世界

指導者として「次の100回につながる何かに携わりたい」

 酒井監督は元・社会科の高校教諭らしい視点も織り交ぜながら、改めて箱根駅伝への思いを語る。

「みんなが出たくてもなかなか出られない大会でもあり、そこに指導者として86回大会から携われていることは、初心と変わらずありがたいなという気持ちがあります。今、世界では戦争が起こっていますが、箱根駅伝も戦争の影響を受けながらも今日までつながってきました。そうした一つの文化の伝統を大事にしつつも、発展していかなければならない大会でもあります。大学の一指導者がどこまでできるか分かりませんが、次の100回につながる“何か”に携われればと思います」

 第100回記念大会、「鉄紺」は箱根路に何を刻み込むのか。注目したい。(文中敬称略)

■酒井俊幸(さかい・としゆき)

 1976年5月23日生まれ、福島県出身。学法石川高(福島)2年時に全国高校駅伝に出場。東洋大学時代は1年時から3年時まで箱根駅伝に出走し、2年時はシード権獲得に貢献。4年時は出走できなかったが、主将としてチームを引っ張った。卒業後はコニカミノルタに入社し、全日本実業団駅伝では2001年からの3連覇の中心選手として活躍を見せた。現役を引退し、2005年4月から母校である学法石川高の教諭に。2009年4月から母校・東洋大学陸上競技部(長距離)の監督となり、以来、箱根駅伝では総合優勝3回を含む10年連続総合3位以内の成績を残したのをはじめ、次回大会まで監督就任以来15年連続出場を継続中。学生三大駅伝の出雲駅伝(2011年)、全日本大学駅伝(2015年)でも大学史上初の優勝を飾っている。2017年まで指導していた競歩選手、長距離の卒業生を含め、五輪や世界陸上の日本代表選手を輩出している。

(牧野 豊 / Yutaka Makino)

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牧野 豊

1970年、東京・神田生まれ。上智大卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。複数の専門誌に携わった後、「NBA新世紀」「スイミング・マガジン」「陸上競技マガジン」等5誌の編集長を歴任。NFLスーパーボウル、NBAファイナル、アジア大会、各競技の世界選手権のほか、2012年ロンドン、21年東京と夏季五輪2大会を現地取材。22年9月に退社し、現在はフリーランスのスポーツ専門編集者&ライターとして活動中。

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