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歴代主将やマネジャーらが卒業後も社会で活躍 青山学院大・原晋監督が貫く「未来志向」の人材育成

未来志向で考える目標管理ミーティング

フィードフォワードとはどういうことか。

「真剣に取り組んでいることが大前提にありますが、中にはなかなかシートに個人の目標を書き込めない学生もいます。これまでなら、書き込めない生徒に対してマイナスな評価をしていた傾向がありましたが、真剣に取り組んで7割、8割しか書けないのであれば、それはそれでいいと。元々、目標管理ミーティングは、先輩や後輩、同級生の意見も取り入れながら7や8のものを9、10、11、12と広げていけばいいという姿勢で設定してきたものなので、どうやったらできるのかという未来志向で行ったほうが良い方向にいくのではないかと考えるようになってきました」

 このアプローチも二極論ではなく、「フィードバック、フィードフォワードの要素を状況に応じて使い分けることが大切」と付け加える。

 また、トークセッションの中では学生スポーツの現場におけるITの活用についても言及。目標管理シートは紙を使い手で記入するアナログな方法だが、選手個々の練習タイムや自己ベスト、健康に関する情報はデータ管理を行い、チーム内の誰もがアクセスできるような環境も整えている。それによってチーム内における情報共有の効率化を図っていることも、近年の傾向として強まっていると説明する。

 得てして強豪チームのノウハウについて語られる時、1つの方法に目が行きがちだが、原監督自身のコメントには、“方法論はあくまで方法論であり、目的ではない”という抑止的な意味も込められていることを忘れてはならない。

 そうしたチーム指導の中、多くの生徒たちが自主性を養い、競技力と合わせて自己表現の能力を磨いてきた。原監督曰く、「自己ベストが同じくらいの選手なら、表現力豊かな学生を取る」と言い切るくらい、高校生をリクルートする段階から自己表現を重視している。

 特にマネジャーにはその傾向が強く、箱根駅伝初優勝時のマネジャーだった高木聖也さんは当時、チームメートや原監督から「優勝の立役者」と称えられ、卒業後は銀行勤務を経て、現在はランニングクラブの運営をはじめ多方面で活躍している。

 歴代の主将でも箱根駅伝4連覇目の主将だった吉永竜聖は大手生命保険会社の採用担当者を務めており、原監督体制の1期生にあたる代の主将を務めた檜山雄一郎さんは大手製薬会社でトップクラスのセールスマンになった後、2年前にGMOインターネット陸上部のマネジャーに転職するなど、活躍の場を広げている。

 フィードフォワードの要素が強くなった目標管理ミーティングは今後、どのような人材を育み、社会に輩出していくのか。その走りのみならず、長い目で注目していきたい。

(牧野 豊 / Yutaka Makino)

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牧野 豊

1970年、東京・神田生まれ。上智大卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。複数の専門誌に携わった後、「NBA新世紀」「スイミング・マガジン」「陸上競技マガジン」等5誌の編集長を歴任。NFLスーパーボウル、NBAファイナル、アジア大会、各競技の世界選手権のほか、2012年ロンドン、21年東京と夏季五輪2大会を現地取材。22年9月に退社し、現在はフリーランスのスポーツ専門編集者&ライターとして活動中。

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