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元巨人&西武の星孝典、なぜ母校監督に? 学生主体の部活に見た危うさと湧き上がった使命感

今年2月、東北学院大学硬式野球部の監督にOBで元巨人、西武の星孝典氏(40歳)が就任した。宮城県名取市出身の星は仙台育英高、東北学院大を経て、2004年のドラフト6巡目で巨人に入団。11年にトレードで西武に移籍し、2球団で捕手として計12年間プレーした。現役引退後は西武、楽天でコーチを務め、今春から18年ぶりに母校のユニホームに袖を通す。監督就任までの経緯や、学生野球の指導者としての展望を取材した。(取材・文=川浪 康太郎)

今年から東北学院大硬式野球部を率いる星孝典監督。現役時代は巨人と西武でプレーした【写真:川浪康太郎】
今年から東北学院大硬式野球部を率いる星孝典監督。現役時代は巨人と西武でプレーした【写真:川浪康太郎】

東北学院大学硬式野球部・星孝典監督インタビュー前編

 今年2月、東北学院大学硬式野球部の監督にOBで元巨人、西武の星孝典氏(40歳)が就任した。宮城県名取市出身の星は仙台育英高、東北学院大を経て、2004年のドラフト6巡目で巨人に入団。11年にトレードで西武に移籍し、2球団で捕手として計12年間プレーした。現役引退後は西武、楽天でコーチを務め、今春から18年ぶりに母校のユニホームに袖を通す。監督就任までの経緯や、学生野球の指導者としての展望を取材した。(取材・文=川浪 康太郎)

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 東北学院大は所属する仙台六大学野球リーグで18度の優勝を誇り、星をはじめ、岸孝之投手(現・楽天)、本田圭佑投手(現・西武)ら多くのプロ野球選手を輩出してきた。しかし近年は鳴りを潜めており、リーグ優勝からは2012年秋を最後に遠ざかっている。また19年春以降は東北福祉大と仙台大の優勝争いに加われないシーズンが続き、3位または4位にとどまっているのが現状だ。

 現役を引退する数年前から、「いずれは母校で監督を」と思い描いていた星。近年も、伸び悩む母校のことを常に気にかけていたという。2020年からは楽天でコーチをしていたこともあり、時折「いちOBとして」リーグ戦の試合にも足を運んでいた。

 球場で目にしたのは、星が在籍していた当時とは大きく異なる学生たちの態度だ。試合中、スタンドにはベンチを外れたメンバーがいるが、「応援しているのか、試合を観ているのか分からない」印象を受けたといい、中にはスマートフォンをいじる部員もいた。球場を訪れているOBへの挨拶もなく、その体たらくぶりを見て密かに危機感を抱いていた。

 東北学院大はここ2年、学生が監督を務めていた。大人のいない学生主体の部活運営は一長一短で、「緩い」雰囲気をつくり出してしまうこともある。「悪気があってできないのではなく、やるべきかやらないべきか、良いことなのか良くないことなのか、学生だけでは判断するのが難しい」と星は話す。そしてそんな学生たちに「判断基準」を示すのが、大人の役割だと考えている。

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