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監督室のドアは「いつも全開」 慶応との差に危機感、早稲田率いた元Jリーガーの改革

相馬勇紀らを擁し就任1年目で関東大学リーグ1部優勝

 瞬く間にア式蹴球部には「楽しく和気藹々」の空気が浸透するが、反面「これで勝てるか不安」と漏らす声が増えてきた。

「そこで初めて新しい選択肢ができた。『だったらあなたたちは何を選ぶんですか?』と。ようやく部員たちは『楽しいことも大切。でもこれまでやってきた良いことにも目を向けよう』と考えるようになり、自分たちの活動を創り出そうとし始めたんです。実際に『自分たちで創っている感覚』は、予想以上に大きな相乗効果をもたらしました」

 外池の監督就任1年目で、相馬勇紀(カーザ・ピア)、小島亨介(アルビレックス新潟)、岡田優希(ギラヴァンツ北九州)らを擁した早大は、関東大学リーグ1部で優勝を飾った。(文中敬称略)

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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外池 大亮

早稲田大学ア式蹴球部・前監督 
1975年1月29日生まれ。神奈川県横浜市出身。早稲田大を経て97年にベルマーレ平塚(現・湘南ベルマーレ)に加入。2000年に横浜F・マリノスに移籍すると、その後は大宮アルディージャ、ヴァンフォーレ甲府、サンフレッチェ広島、モンテディオ山形を渡り歩き、06年に湘南へ復帰。J1通算82試合16得点、J2通算101試合13得点の成績を残し、07年シーズン限りでスパイクを脱いだ。現役引退後は広告代理店の電通を経て、現職でもあるスカパー!に入社。18年から22年まで、早稲田大学ア式蹴球部の監督を務めた。

加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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