「4年間で燃え尽きないように…」 中央大・藤原正和監督の駅伝指導と現役時代の教訓
心に刻む「人間万事塞翁が馬」の言葉
藤原監督は30歳になってから、将来は指導者になることを考え、指導について学びを始めた。名将として知られたプロ野球の野村克也や、元ラグビー日本代表監督エディ・ジョーンズの本を読むなど、さまざまな分野から指導論を吸収していった。
――指導していく上で印象的な言葉はありましたか。
「指導者の言葉ではないんですが、『人間万事塞翁が馬』という格言があるじゃないですか。それは僕の座右の銘にもしているのですが、指導1年目で箱根の予選会を落とした時、いきなりこれだけ躓いたら、これ以上は悪くならないだろう。そういう思考回路に至らないと、やっていけなかったですね。
ただ、ダメな時をダメだったで終わらせるのではなく、ダメな中からちゃんと学ぼうという姿勢を持つようにしていますし、良かったら良かったなりの理由を考えて次に活かしていく作業は、やってきています。それはこれからも続けていきたいと思っています」
就任1年目に味わった苦労は、その後の藤原監督の指導に大きな影響を与えている。
【第1回】大学駅伝の名門「中央大が終わってしまう」 藤原正和監督、就任1年目に大改革の意図
【第3回】妻の言葉で「ハッと気づいた」 中央大・駅伝監督が“怒らない”指導に変えた5年目の決断
(佐藤 俊 / Shun Sato)