「子供たちの発想を疎外してはいけない」 ラグビー元日本代表が描く理想の指導者像とは
子供たちに提供したい“チャンス”「人と人との繋がりは非常に重要です」
同時に、子供たちにはいろいろなチャンスを提供していきたいという。箕内氏自身、関東学院大学を卒業後にオックスフォード大学に留学。NEC入り後の2000年には、イタリアのラグビーリーグで3か月プレーするなど、様々なチャンスに恵まれた。その経験は今でも大きな財産になっている。
「海外では自己主張も必要ですけど、人の話を聞くことも必要。集団の中でコミュニケーションを取る能力や経験は、絶対にプラスになります。僕は大人になってから経験しましたけど、子供の頃に受けるもの、高校生くらいに受けるもの、社会人になって受けるもの、コーチの年代になって受けるもの、それぞれの年代で受けるものって違うと思うんですよ。僕らは3人、そしてアイスホッケーの鈴木さんも含めて4人とも、子供の時に多くのことに触れる経験がなかったので、そういう機会を提供してあげたいな、何かを感じとってほしいな、と思って、たまにアカデミーのゲストとして友達のフィジー人が来てくれたり、日本代表やサンウルブスの選手が来てくれたり。こういう体験を通じて、いろいろなことに触れてほしいなと思います」
「BUラグビーアカデミー」を通じて、いろいろな経験をし、人としての引き出しを増やしてほしい。そして、ここで繋がった人との縁を大切にしてほしいと願う。
「人と人との繋がりは非常に重要です。運ではないですけど、僕は人との繋がりは自分の人生を変える1つのきっかけにもなると思っています。人と人との繋がりを大切にして、人生を変えてもらいたい。スポーツにはそれだけの力がありますし、人生をより豊かなものにしてほしいなと思います」
「BUアスレティック・ソサエティー」は、同じ理念を持つ人と人との繋がりで成り立つ集合体だ。競技の垣根を越えて、指導者も子供たちも繋がり、新たな可能性を生み出す場として、日々進化を続けている。関わる全ての人にとって学びの場となるように、これからも繋がりを広げていく。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)