ラグビー日本代表キャップ計197 箕内拓郎、小野澤宏時、菊谷崇が挑む新たな育成指導
指導者も進歩を忘れずに「僕らのコーチングスキルも試されている」
開校から2年目を迎え、子ども達にも大きな成長の跡が見られる。調布にある東京ウエスト校では、小学3・4年生、5・6年生、中学生と3つにクラス分けされているが、中学生のクラスでは問題解決するチームトークの輪でコーチがヒントを与えることはほとんどない。「今、よかった点は何?」「たくさん課題を出しても解決できないから一つに絞ろう」と話し合いを進める子ども達の姿を見ると、菊谷氏は「立派だな」と思わず笑みがこぼれるという。
「子ども達が持つポテンシャルってすごいんですよ。それを最大限に引き出すのが指導者の役目。『昔は…』なんて言っていると子ども達もコーチ達も何の進歩もありません。タックルドリルの練習だって笛を吹いて10分間やらせるなんて、誰にもできますから。子ども達が飽きないように練習メニューやタスクを考え、習熟度を見ながら難しくしたり簡単にしたり変えていく。『上手いね!』って声をかけながら、練習の中で成功体験や楽しさを与えていく。僕らのコーチングスキルも試されているんですよね。箕内さんも小野澤さんも僕もプロのコーチ。失敗しようがチャレンジしながら価値あるものを提供するのが僕らの強みですから」
元日本代表のレジェンド3人が、ラグビーというスポーツを通じて得た学びを子ども達に還元する場でもあるBUラグビーアカデミー。世界を知る男たちは指導者としてのスキルアップを図りながら、「人を育てる」という新たな挑戦に取りかかっている。
(THE ANSWER編集部)