ラグビー日本代表キャップ計197 箕内拓郎、小野澤宏時、菊谷崇が挑む新たな育成指導
コミュニケーション能力と対人間スキル「このレベルが上げる方が、ラグビーでは重要」
現役時代は日本代表の主将として、世界の猛者を相手に戦ってきた菊谷氏は、ラグビーのレベルが高くなればなるほど、より高いコミュニケーション能力や対人間スキルが求められることを実体験してきた。同時に、高校日本代表やU20日本代表のコーチを務める中で、自分の意見を伝えられない選手が多いことにも気付かされたという。
「実際の試合ではミスが起きたとしても、それを引きずる時間はない。気持ちを切り替えて、次にミスしないために何をしたらいいか、瞬時に状況判断をする必要があります。チームメイトの声にオーケーと返せるか。それがアクションであってもいいですが、互いにしっかり意思疎通ができるかどうか。声が出ること、コミュニケーションが取れること、インターパーソナルスキルがあること。このレベルを上げる方が、ラグビーでは重要になってきます。
今の子ども達にとっては、もしかしたらラグビーの技術そのものより、自分の意見を伝えることの方が難しいことかもしれません。ラグビー日本代表ユースチームでも『どう思う?』と聞かれても誰も答えない。日本どこへ行ってもそうですよね。だから、そこで『はい!』と手を挙げて意見を言える子ども達が出てきたらいいなと思うんです。間違った答えってなかなかないんですよ。自分の意見を言う勇気、喋るというスキルが身につけば、一般社会に出た時にも必ず役に立つと思うので」