変わろう、野球 筒香嘉智の言葉「勝つ為にやらされる野球になったら、それは不幸」
「好きで始めた野球が、勝つためにやらされているものに変わったら、それは不幸でしかない」
勝利至上主義が助長される1つの原因は、小学生から高校生までの主な大会がトーナメント方式で開催されていることにもありそうだ。勝敗が大きく物を言うプロ野球はリーグ戦で順位を争っているのに、勝敗以上に大切なことを学ぶべき育成年代が負けたら終わりのトーナメント方式で戦っている現実がある。それは高校野球に限らず、小学生、中学生でも同じ。むしろ、高校生よりも小中学生を対象としたトーナメント大会の方が大小様々な規模で開催されており、良かれと思う主催者達の思いとは裏腹に、子ども達の体に掛かる負担はかさんでいる事実もある。
「勝利だけを追い求めることが、子ども達の体と心に負担を掛けるのであれば、それはまったく意味がないことだと思います。好きで始めた野球が、勝つためにやらされているものに変わってしまったら、それは不幸でしかない。試合に勝つ野球を教え込まれることよりも、チームメートや対戦相手を思いやる心、自分で判断できる力を身につけ、何より野球を好きなままでい続けることが大事だと僕は思います」
勝つことは決して悪ではないが、それが全てではない。勝利について、大人がもう一度考え直してみる必要がありそうだ。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)