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2軍でタイトルをとっても指名漏れのなぜ オイシックス新監督が見た意外な理由「浮き彫りになったなと…」

ヤクルトから育成ドラフトで指名された下川。アンダースローが大きな特徴だ【写真:羽鳥慶太】
ヤクルトから育成ドラフトで指名された下川。アンダースローが大きな特徴だ【写真:羽鳥慶太】

ヤクルト入りの下川隼佑だけに指名があった理由とは

「高校、大学の選手は違うと思いますよ。何かに特化している人が求められていると思います。すごい速いボールを投げるとか、すごいパワーがあるとか。でもここを経由する選手はそうじゃない。すぐ使われる選手じゃないと、という目で見られているんです」

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 実際に指名を受けた下川は、そのいい例だという。イースタン・リーグでは40試合、112回を投げ、102奪三振でこの部門のタイトルにも輝いた。ただNPBに評価されたのは、様々な起用法に対応できたところではないかというのだ。

「最初は先発していましたけど、中継ぎやロングリリーフをしたことによって、チームが困った時に助けてくれる選手だと見られたと思うんです。自分のことをよく知っていて、体調管理を含めて全部自分でできる選手ですし」。そして「こういう選手の方がプロに行けるって、僕は身をもって知ってますよ。僕がそうだったから」と笑う。

 プロへの“もぐりこみ方”を知っている監督といえるだろう。立正大では東都大学リーグ2部が主戦場。さらに社会人野球のシダックスで5年もプロ入りを待った。特に野村克也監督と出会ってからの3年間、25歳以降に自分は大きく伸びたと自覚している。

「シダックスの5年間、遠回りはしたかもしれないけど、いろんなことを経験したからプロに行けたんですよ。メンタルも何もかも準備したところで、プロのヨーイドンというスタートラインに立てた。もう焦ることはないというかね。何でもできるようにしておこうという準備ができていた」

 武田監督は2005年のドラフト会議、日本ハムの大学・社会人4巡目で念願の指名を受けた。速球は130キロ台、入団した2006年には28歳を迎えるという異色の存在だった。求められたのは背伸びせず、自分の役割は完ぺきにこなすことだった。迎えたキャンプの紅白戦、主力打者がスライダーのキレに驚き、首を傾げた。開幕を1軍で迎え、中継ぎからのスタート。結果を残し続けて自分の居場所を作り、4年連続の2桁を含む通算82勝を挙げる。38歳になるまで投げ続けた。

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