「監督が選手より興奮するのは当たり前」 日本代表・森保一監督とドイツ皇帝の共通項
現役時代は冷静沈着なプレーぶりがトレードマークだったフランツ・ベッケンバウアーだが、監督に転身するとベンチに座ることもなく、テクニカルエリアで別人のように喜怒哀楽を発散するようになった。その点では、日本代表の森保一監督と共通している。
ベッケンバウアーにとっての「監督」とは
「監督が選手より興奮するのは当たり前だ。選手は自分がどうすれば良いかを考えているので責任は小さい。しかし監督にはチーム全体の責任が被さってくる」――フランツ・ベッケンバウアー
現役時代は冷静沈着なプレーぶりがトレードマークだったフランツ・ベッケンバウアーだが、監督に転身するとベンチに座ることもなく、テクニカルエリアで別人のように喜怒哀楽を発散するようになった。その点では、日本代表の森保一監督と共通している。
「監督が選手より興奮するのは当たり前のことだ。選手というのは、自分がどうすれば良いかだけを考えているから、責任自体が小さい。しかし監督にはチーム全体の責任が被さってくる。特に我々のチームは西ドイツ代表。勝つことが義務づけられ、絶対に勝たなければならない重圧がかかる。こうした大きな責任によって興奮するのだ」
ベッケンバウアーはS級ライセンスを取得していなかったが、特例としていきなり代表チームを指揮した。2度のワールドカップに臨み、2大会連続して決勝に進出。90年イタリア大会で優勝すると勇退した。
「1986年メキシコ大会で決勝まで進めたのはラッキーだった。決勝のアルゼンチン戦では2点を先行されたが、2-2に追いついたところで、もう自分の責任は終わったと思った。あとはもう運だけ。実際チームとしては、相手のアルゼンチンの方がはるかに良かったからね。