ファジーカスが好例「毎晩21時に寝て酒も飲まず…」 プロ初の全クラブ参加、外傷障害調査が育成年代に残すもの
コロナ禍の2020年、Bリーグがスタートさせたのが選手の外傷・障害データの集計プロジェクト。2023年9月に初めて公開された「B.LEAGUE 2022-23SEASON Injury Report」は、B1、B2の全クラブが参加する形で外傷・障害データを集積したものだ。次シーズン以降も継続して発表されている。本稿ではSCS推進チームの発足に尽力したBリーグバスケットボールオペレーショングループの数野真吾氏、現在三菱電機コアラーズでパフォーマンスディレクターを務める(取材時は、川崎ブレイブサンダース フィジカルパフォーマンスマネージャー)吉岡淳平氏にインタビュー。本レポートから読み取れること、そしてプロジェクトを推進する目的や意義について、語ってもらった。(取材日=2024年6月8日、取材・文=前田 成彦)
プロでは初、全クラブが参加した外傷/障害調査をまとめ、公表したBリーグ 継続的にデータ収集する仕組みを構築
コロナ禍の2020年、Bリーグがスタートさせたのが選手の外傷・障害データの集計プロジェクト。2023年9月に初めて公開された「B.LEAGUE 2022-23SEASON Injury Report」は、B1、B2の全クラブが参加する形で外傷・障害データを集積したものだ。次シーズン以降も継続して発表されている。本稿ではSCS推進チームの発足に尽力したBリーグバスケットボールオペレーショングループの数野真吾氏、現在三菱電機コアラーズでパフォーマンスディレクターを務める(取材時は、川崎ブレイブサンダース フィジカルパフォーマンスマネージャー)吉岡淳平氏にインタビュー。本レポートから読み取れること、そしてプロジェクトを推進する目的や意義について、語ってもらった。(取材日=2024年6月8日、取材・文=前田 成彦)
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この外傷/障害調査の監修を行ったのは「B.LEAGUE SCS推進チーム」。Bクラブのメディカルスタッフ、そして整形外科や脳神経外科などの外部専門家を加えて編成された組織だ。最新の2023-24シーズンのレポートでは外国籍選手の負傷発生度合いと出場時間の関係、シーズン序盤の負傷頻度の多さなど、興味深いデータが多数開示されている。
B1、B2の全クラブが参加する形で調査・発行された本レポートは、クラブ横断でトレーナーやコーチが協働して外傷・障害情報を集めた、という意味で、日本国内のプロスポーツリーグにおいて前例のないものだ。Bリーグは今後このデータを各分野の専門家と共に分析。予防に向けた対策を立て、知見を各クラブにフィードバックしていく。
では育成年代の指導者たちはこのレポートをどう読み解き、日常の指導へといかに反映させることができるだろうか。