名門バルセロナ下部監督が語る育成論「日本とスペインの子供の能力は同等」
日本で精神力と言えば根性力、バルサの子供に染み付く「勝者のメンタリティ」
日本では昔から、流した汗の量や、理不尽なことに耐えることで精神力が養われるとも考えられて来たが、欧州にそんな発想はない。
「バルセロナのU-14チームを率いて国際大会に出場した。グループリーグでドルトムントと勝ち点が並び、抽選で勝ち上がりを決める規定になっていた。だがバルサの子供たちは、どうしても決着をつけさせて欲しいと、大会の役員に直訴。翌朝再戦を実現させて、とうとう優勝を飾った」
日本で精神力と言えば根性論が連想されがちだが、バルサの子供たちに染み付いているのは、むしろ「勝者のメンタリティ」、言わばプライドであり、誇りだ。
日々効率的なトレーニングを重ね、勝ち続けることで「絶対に負けてはいけない」「負けるはずがない」という矜持や自信が確立される。そこが彼我の最大の違いなのかもしれない。
(文中敬称略)
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加部究●文 text by Kiwamu Kabe