[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

名門バルセロナ下部監督が語る育成論「日本とスペインの子供の能力は同等」

日本で精神力と言えば根性力、バルサの子供に染み付く「勝者のメンタリティ」

 日本では昔から、流した汗の量や、理不尽なことに耐えることで精神力が養われるとも考えられて来たが、欧州にそんな発想はない。

「バルセロナのU-14チームを率いて国際大会に出場した。グループリーグでドルトムントと勝ち点が並び、抽選で勝ち上がりを決める規定になっていた。だがバルサの子供たちは、どうしても決着をつけさせて欲しいと、大会の役員に直訴。翌朝再戦を実現させて、とうとう優勝を飾った」

 日本で精神力と言えば根性論が連想されがちだが、バルサの子供たちに染み付いているのは、むしろ「勝者のメンタリティ」、言わばプライドであり、誇りだ。

 日々効率的なトレーニングを重ね、勝ち続けることで「絶対に負けてはいけない」「負けるはずがない」という矜持や自信が確立される。そこが彼我の最大の違いなのかもしれない。

(文中敬称略)

【了】

加部究●文 text by Kiwamu Kabe

1 2 3

加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集