名門バルセロナ下部監督が語る育成論「日本とスペインの子供の能力は同等」
日本の問題点「グローバルに見て、10分以上ボールに触れない練習はあり得ない」
ジョアンは、バルセロナのカンテラ(下部組織)で、ボージャン・クルキッチ(現マインツ)やジョルディ・アルバらを育て、後に来日して東海大菅生で指導をした。
「日本の子供たちは、欧州の子供たちと比べても、持って生まれた能力に違いはない」
裏返せば、才能豊かな日本の子供に、バルセロナの環境を与えれば、欧州のトップレベルと遜色のない選手が生まれるということになり、久保は貴重なサンプルとなった。
では、スペインと日本の環境の違いは、どこにあるのか。ジョアンは、丁寧に解説してくれた。
「バルセロナは、欧州内でレベルの高い試合を繰り返す。飛び抜けた才能を持つ子供たちが、常に最大限に力を発揮しなければならない環境にある。ところが日本では、十分な公式戦の数が確保されていない。特に中学や高校の下級生は、出場できる試合が少ない」
「さらに日本ではトレーニングの量に凄く拘る。だがスペインに限らず、欧州で大切にしているのは、トレーニングの質だ。グローバルに見て、10分間以上もボールに触れないトレーニングは、リハビリも含めてあり得ない。量をこなせば精神力が強くなるとは思わない」