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「若い年代こそ最も優秀な指導者が必要」 フランス名将が主張した選手育成の重要性

戦術の導入を急ぐ傾向に警鐘 「15歳までは徹底して楽しむべき」

 フランス代表、リバプール、リヨンなどで指揮を執った名将ジェラール・ウリエが、フランス協会の技術委員長だった頃にはアドバイザーも務めてきた。

「彼は主張した。若い年代にこそ最も優秀な指導者が必要だ、とね。良い指導者といえば、トップチームの指導に携わると思われてきたけれど、エリートを、プロを育てていく重要なプロセスとなるゴールデンエイジの子供たちにこそ、最高の指導者が必要ではないか、と。その考え方には私も共鳴し、私に白羽の矢が立った」

 技術を大切にするからこそ、戦術の導入を急ぐ傾向には警鐘を鳴らす。

「技術という土台が未完成で、パス&レシーブも上手くできないような子供たちに戦術的なことをやらせても、上手くいくはずがないじゃないか。あくまで戦術は技術をフォローする。そうあるべきだよ」

 15歳までは徹底して楽しむべきだという。それまで主役はチームではなく、個であるべきだと考えている。

(文中敬称略)

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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