「若い年代こそ最も優秀な指導者が必要」 フランス名将が主張した選手育成の重要性
戦術の導入を急ぐ傾向に警鐘 「15歳までは徹底して楽しむべき」
フランス代表、リバプール、リヨンなどで指揮を執った名将ジェラール・ウリエが、フランス協会の技術委員長だった頃にはアドバイザーも務めてきた。
「彼は主張した。若い年代にこそ最も優秀な指導者が必要だ、とね。良い指導者といえば、トップチームの指導に携わると思われてきたけれど、エリートを、プロを育てていく重要なプロセスとなるゴールデンエイジの子供たちにこそ、最高の指導者が必要ではないか、と。その考え方には私も共鳴し、私に白羽の矢が立った」
技術を大切にするからこそ、戦術の導入を急ぐ傾向には警鐘を鳴らす。
「技術という土台が未完成で、パス&レシーブも上手くできないような子供たちに戦術的なことをやらせても、上手くいくはずがないじゃないか。あくまで戦術は技術をフォローする。そうあるべきだよ」
15歳までは徹底して楽しむべきだという。それまで主役はチームではなく、個であるべきだと考えている。
(文中敬称略)
(加部 究 / Kiwamu Kabe)